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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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はそれに続く形となる。先頭から中程までは、陛下の護衛を務める衛士隊が固める。我々は予定通り、馬に乗り後列に付く。ディーネは姫の馬車に同乗してくれ」

 アニエスの指示が飛び、隊員達はそれぞれの配置に着いて行く。

「姫。こちらです」

 私はアンリエッタ姫をエスコートして、馬車の中に導いた。本来なら男がする仕事なのに……。こんな事ばかりしていると、ギルにヅカキャラとか言われそうだ。(以前一度言われて、ボコボコにした記憶あり)乙女である私に、男前と言う評価は甚だ不当だと断言する。

「ディーネさん。如何なされたの? 少し怖い顔をされているわ」

「いえ。なんでもありません。少し嫌な事を思い出しまして……」

「詳しく聞かない方が良いかしら?」

「そうしてもらえると助かります」

 笑顔を見せるアンリエッタ姫に、私の陰鬱とした気持ちが晴れて行くのを感じた。最近の彼女は伯父の死に加え、居るかも分からない襲撃者に怯えて、王宮の奥に閉じ込められて居たのだ。久しぶりに外に出れたと考えれば、この様な舞踏会でも気晴らしになっただろう。馬鹿男の多くを、私が引き受けた形になったのも大きい。

「姫。そろそろ出発する様ですよ」

「その様ですわね」

 座席に座ると、直ぐに御者が出発を告げる。馬車が動き出してからは、先程の舞踏会の事が話題となった。ほんの僅かな瞬間とは言え、彼女本来の笑顔を見れたのは良かったと思う。護衛中に笑顔が見られなかった訳ではないが、何処か影があったから。

 舞踏会が開かれたのは、モード大公邸襲撃事件が収束し始めたから。と、言う風に見えるのだろう。実際にアンリエッタ姫を始め、多くの貴族達はそう判断している様だ。陛下が舞踏会開催を了承したのは、この辺りが理由なのかもしれない。いや、これでは理由として弱いな。となると、異端者である弟を切り捨て、無関係だとアピールする必要があったか。邪きょ……狂信者(ブリミル教徒)は、本当に救いがない。

 そんな事を考えていると、爆音と共に馬車が急停止した。

「きゃっ!!」

「何事!?」

 転倒しそうになったアンリエッタ姫を抱きとめ、警戒しながら覗き窓から外を見ると、陛下が乗っている馬車から煙が上がっていた。どうやら、車輪付近に火の魔法が着弾した様だ。このままでは焼かれると判断したのだろう。陛下が馬車から脱出し、数名の護衛と共にこちらへ逃げて来ている。

 周りの様子を確認するが、敵は前方に居る数名のみ。他に隠れられそうな場所もない。燃える馬車がブラインドになっているので、敵は未だ馬車を攻撃している様だ。こちらに被害が出たのは、不意打ちによる最初の一撃のみで、それ以外は衛士隊が完全に防いでいる。

 余りにもお粗末な襲撃だ。敵は素人か。これなら問
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