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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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了した。

「見事な物だな」

「ありがとうございます」

 アロンダイトを褒められて、私も悪い気はしない。

「その剣もドリュアス領産だろう」

「はっ!?」

 突然振られた話に、私は否定しそびれてしまった。タイミングを見て、否定しておかなければ……。

「私のロングソードもドリュアス領産なのだよ。大枚はたいて、トライアングルクラスの土メイジに《固定化》と《硬化》をかけてもらっている」

 そう言いながらアニエスは、剣を分解し次々に洗浄層へ投入して行く。茎部分(タング)に、ドリュアス領産である証の印と通しナンバーが確認できた。そのナンバーから、生産開始初期の物だと分かった。

「水を汲みに行く手間が省けたよ」

 元々アロンダイトに汚れは殆ど無かったので、水槽内の水はその透明度を維持していた。続けて使っても何の問題もない。

「アニエスの剣は、初期に造られた物ですよね」

「ああ。貴族や愛好家に知られる前に買えたのは僥倖だったよ。今同じ剣を買おうとしたら、値段は数倍……下手をすれば数十倍は出さなければ買えない」

 そう言って笑うアニエス。しかし次の言葉は、全くの予想外だった。

「確か、サムソンとパスカルだったか」

「へっ!?」

 思わず変な声が出てしまいました。アニエスが何故その名を知っているのですか?

「ドリュアス領に行って新たな技術を学び、更なる躍進を遂げた様だな。剣を扱う者として、良い剣が出来る事は何よりも嬉しいよ」

「……サムソンとパスカルの名を何処で?」

 そう質問するのが精いっぱいでした。

「ああ。結構有名な話だぞ。バカ領主が、サムソンの娘を手篭めにしようとして逃げられた話は……。暫くしてから、彼ら独特の特徴がある武具が出回れば誰でもわかるだろう。彼らの武具を愛好していた者達は、ドリュアス領産の武具を見て歓喜したと言う訳だ。私もこの剣を、何度売ってくれと頼まれた事か」

 嬉しそうに話しながらも、決して手を止めないアニエス。洗浄が終わり水槽から剣を取り出すと、サムソンとパスカルが打った剣の特徴を律義に教えてくれた。アロンダイトまで引き合いに出されたので、今更否定しても滑稽なだけだと思い知らされたのだった。



 舞踏会は無事に終わった。アンリエッタ姫の護衛で、終始彼女の後ろに控えていたが、やたらと話しかけて来るボンボンが多くて護衛し辛かった。護衛任務を妨害する敵として、切り捨ててやろうかと何度思った事か……

「疲れましたね」

 ついそんな弱音が漏れる。

「まだ帰りがあるぞ。むしろここからが一番危険だ」

 アニエスに喝を入れられる。その通りなので素直に頷いておく。

「先ずは陛下の馬車が先に出て、姫様の馬車
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