第79話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(後編)
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3の脳裏に、突如として謎のビジョンが映りだした。
涙を流し、手を伸ばして何かを叫んでいる少女。全く知らない筈の少女なのに、その少女に何所か見覚えがあった。
何故だ、何故?
その少女を見た途端風見は奇妙な感覚に見舞われた。感じた事のない感覚だ。
少女の口が動いている。その声を聞こうとV3は必死に音を探った。
そして、その声ははっきりと、鮮明にこう叫んでいたのだ。
【止めて、お兄ちゃん!】
「!!!!」
突如、V3は掴んでいた両手の力を抜いた。その拍子にフェイトは地面に崩れ落ちる。未だに締め上げられた頭の痛みがする中でフェイトは必死に見上げた。
其処には、自分の頭を抑えて苦しんでいるV3の姿があった。
「か、風見さん……」
「うおおぉぉぉぉおおぉおぉおお!」
苦痛の声が響いた。頭痛を訴えるかの様に頭を抑えて腹の其処から叫んでいるようにも聞こえる。
その光景は見ている全てのデストロン怪人達は元より、ヨロイ元帥にまでも驚愕の思いを与えていた。
「しまった、やはり不完全であったせいか!」
ヨロイ元帥は舌打ちした。仮面ライダーV3の洗脳手術は不完全であったのだ。
倒れていた風見志郎を連れ帰り、デストロンの閲兵にすべく手術を行っていた。だが、ダブルライダーが施した何重にも敷かれたプロテクトの解除に手間取ってしまい、結局手術は不完全のまま実戦投入をする羽目となってしまった。
そのツケが今、此処に回ってきたのだ。
そして、そのツケを目の前で見たフェイトは悟った。今ならば風見志郎を取り戻す事が出来るかも知れない。今ならば、元の風見志郎に戻す事が出来るかも知れない。
そう悟ったフェイトは、この可能性に全てを注ぎ込んだ。
「士郎さん! 思い出して! 貴方を育ててくれた家族の事を! 共に戦ってきた私達の事を!」
「ううううぅぅぅぅぅぅうううぅぅ!」
「例え改造人間になったとしても、貴方の魂は、心は人間のままの筈! 思い出して! 人間の心を! 貴方が本郷さん達から受け継いだ仮面ライダーの心を!」
「うぅぅぅぅぅぅ、うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」
今までの中でより大きな声で叫んだ。天を仰ぎV3は絶叫した。膝が折れ、大地に当たる。やがて、声が出なくなり、両手で地面に倒れるのを防いでいた。
目の前で完全に仮面ライダーV3は沈黙してしまった。
目の輝きが点滅している。意識が朦朧としているのだ。
両者が黙ってその光景を目の当たりにしている。どちら側のV3なのか?
デストロンか? それとも……
突如、目の前で仮面ライダーV3は立ち上がった。何事もなかったかの様にすっと立ち上がったのだ。
そして、倒れているフェイトをV3は見下ろしていた。仮面のせいで表情は掴めない。
だが、声は一切放
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