第79話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(後編)
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二人の魔力に陰りが見え始めていた。これ以上奴等の攻撃が続けば、やがては結界が破られてしまう。そして、その時は訪れた。
二人が決死の思いで築き上げた防御結界は、まるでガラスが割れるかの様に粉々に砕け散ってしまったのだ。
フェイトは咄嗟に上空へ逃げようとした。だが、そんなフェイトを庇うようにアルフとユーノが突如目の前で壁になったのだ。
「ふ、二人共!」
「ふぇ、フェイト! 今空に上がったら、それこそ格好の的だよ!」
「だから、今は耐えるんだ! 君が倒れたら、全てが終わってしまうんだ!」
「でも、でも……」
フェイトの目の前で、アルフとユーノが自らを盾にしてデストロン軍団の激しい攻撃から守ってくれていた。もはや、それは命がけの行為であった。
二人の体が、怪人達の攻撃に晒され傷ついていく。それでも、二人は決して倒れなかった。例え傷つき、倒れそうになっても、気力だけで立っている。それが今の二人だったのだ。
(アルフ……ユーノ……)
フェイトの目に涙が滲む。そして祈った。早く、早く攻撃よ止んでくれ。そして最後の攻撃のチャンスを与えて欲しい……と。
そして、その祈りがついに、奇跡を生んだ。ヨロイ元帥が攻撃停止の指示を送った。それに呼応し、怪人軍団が一斉攻撃を停止したのだ。
待ちに待ったチャンスが訪れた。フェイトは今まで蓄えていた力を全て解放するつもりでバルディッシュを両手で握り締めた。
そして、それと同時に目の前でアルフとユーノの二人が力尽き大地に伏した。
(有り難う、二人共。二人が作ってくれた最後のチャンス。絶対に無駄にはしない!)
フェイトは即座に行動した。二人が倒れる寸前にヨロイ元帥目掛けて突進したのだ。
全ての怪人達は皆、今の攻撃で完全に倒せたと思っており、その為に動きが一瞬だけ遅れてしまった。
その一瞬だけでもフェイトには充分だった。一瞬だけでもあればケリがつくからだ。
目指すはヨロイ元帥只一人。奴を倒せばデストロンは総崩れとなる。
「ヨロイ元帥、覚悟ぉ!」
「何、まだ生き残りが居たのか!」
悟った時には既に遅かった。ヨロイ元帥の前には既にバルディッシュを振るっているフェイトの姿があった。閃光の刃は確実にヨロイ元帥の首を狙っている。後は其処へ目掛けて振り抜くだけだった。
そして、フェイトはそれを実行に移した。狙いは完璧。周囲の怪人達はようやくフェイトの存在に気付いた所だった。もう奴等は間に合わない。
ヨロイ元帥を倒せばデストロンは総崩れとなるだろう。だが、この攻撃が失敗した場合。フェイト達に勝ち目はない。
しかし、その心配は稀有だろう。何故なら、今居るデストロンの怪人達にフェイトのスピードに対応出来る輩は居ないのだから。
「え?」
フェイトは驚愕した。フェイトが放った筈の閃光の
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