奪われた者、奪い返す者〜
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ふざけないで!!」
「エ・・・」
「妹にそんなことさせて喜ぶ姉なんかいないわ!!それに、それに・・・!」
「・・・オコッタ?・・・ワタシヲ?・・・ナンデ・・・?」
「怒るわよ!間違った事を正すのが家族なんだから!!今の早貴は間違ってる!わたしは・・・わたしはただ、早貴が傍にいれば・・・元気に笑ってくれればそれが一番嬉しい、だから・・・!」
「ウ・・・」
「そんなモノ、使わないで・・・元の早貴に戻って・・・お願い・・・」
また、泣いた。誰が泣かした?誰が・・・・・・あ。
ーーーーワタシだーーーー
「あ・・・あ・・・」
(落ち着け・・・闇に呑まれるな・・・コレに身を任せちゃいけない。コレを度を越えて使えば・・・全てを滅ぼす・・・)
「が・・・ぁ・・・」
視線が落ちて、醜悪な腕、手、指・・・そして今の状態に不似合いな綺麗な指輪が目に入った。
(咲・・・咲、止めて・・・!)
(咲さん、自分を抑えて・・・負けちゃだめッス・・・!)
二人の、声。それが聞こえた時・・・全てが、戻った。
「・・・は、ぁっ・・・!」
身に纏っていた黒い何かが四散し、わたしの体は元に戻る。そして・・・倒れた。
「う、うぅ・・・」
体が・・・動かない。指一本すら・・・
「く、くくく・・・いやぁ、いい芝居だったよ・・・」
余裕を取り戻した須郷が笑いながら立ち上がる。
「さっきの魔法は解らないが・・・とにかく、お仕置きをしなくちゃね」
須郷が手を天にかざすと・・・わたしの体に電流が流れた。
「イャァァァァァァァ!!!」
痛い。苦しい。突き抜ける痛みが思考を纏めさせてくれない。
「あ、う・・・ぁぁ・・・あ・・・」
体が痙攣し、視界が揺らぐ。リアルだったらもっと悲惨なことになっていたかもしれない。
「いい悲鳴だねぇ・・・じゃあもう一度・・・」
「そこまでだ・・・!」
なんとか焦点を合わせると、キリトが立ち上がっていた。
「やれやれ、どうやら余計なバグがあるみたいだ、ね!」
須郷が殴り飛ばそうとするが・・・キリトはその腕を掴んだ。
「お・・・?」
「システムログイン。ID《ヒースクリフ》!」
キリトが何かのパスワードを言い終えると、キリトは須郷を睨む。
「な・・・なに!?何だそのIDは!?」
須郷が飛び退り、メニューを開こうとするが・・・
「システムコマンド。管理者権限変更、ID《オベイロン》をレベル1に」
「な・・・ぼ、僕より高位のIDだと!?あり得ない!僕は支配者、創造主だぞ!この世界の王・・・神!」
「そうじゃないだろ」
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