暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
奪われた者、奪い返す者〜
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


ガシャァン!!

割れた。

「ば、バカな・・・こ、この障壁は絶対壊れないようプログラムされ・・・」

「アハッ、コワレタ・・・♪タノシイネ・・・ネェネェ、ツギハオマエヲコワシテイイ?」



ここで初めて・・・目の前の男の顔に恐怖が宿った。

「く・・・来るな!この・・・!」

須郷が手を振るとワタシの体が少し重くなる。

「・・・コレ、ヤメテヨ。ウゴキニクイジャン」

ワタシは止まらずに体を揺らしながら歩く。

「くそ、なんで・・・何で止まらないんだよ!?」

「・・・テイ」

ビュオン!


腕を適当に振ったら・・・須郷の顔を掠めた。

「いつっ・・・ぺ、ペインアブソーバ・・・」

「・・・ダーメ」


須郷を蹴り飛ばす。

「セッカクイタミガアルノニ・・・ケシタラモッタイナイヨ・・・ネ?ウフ、ウフフフフ、キャッハハハハハ!!」

あんなに、あんなに余裕そうにしていた男がワタシに怯えてる。嬉しい・・・楽しい・・・もっと・・・もっと悲鳴が聞きたい・・・レベル3から現実に影響が出るみたいだけど、頭をゆっくり握り潰したらレベル8でも凄く痛いかな?それとも体をバラバラにした方がいいかな?それとも、それとも・・・

「(ニタァ・・・)」

「ひっ・・・」

笑いが、止まらない。この感じならリアルでも使えそう。そうすれば誰にも左右されないで・・・アア、ソウゾウガトマラナイ・・・♪

「ば、化け物・・・来るな!」

「ワタシネ・・・イッパイ、イーッパイオレイガシタイノ・・・」

「あ・・・ああ・・・」

ログアウトして逃げればいいのに・・・逃がさないけど。

「ジャア・・・イクヨ・・・?」

手を振り上げる。アバターってどんな感じ潰れるんだろ。せーの・・・

「早貴!止めて!!」

・・・動きを止め、アスナを見る。アスナは・・・泣いていた。・・・アア・・・

「マッテテ・・・スグオワラセルヨ・・・」

「違う・・・だめ、だめよ・・・」

「・・・ナニガ・・・?」


「よく、よく解らないけれど、その力はだめ。早貴が・・・早貴じゃなくなっちゃう!」


「ヘンナ、オネエチャン・・・ワタシハ、ワタシダヨ・・・?」

「違う!早貴はそんな・・・人を傷付けて笑うような子じゃない!だから止めて!」

「・・・ヤダ」

「早貴・・・!」

「ヤダ。ダッテ、コレガアレバオネエチャンヲマモレルモン」

「・・・!」

「オネエチャンハ、ワタシガマモルノ。オネエチャンガワラッテレバ、ソレデイイヨ。・・・ウレシイデショ?」


「・・・しくない」

アスナが・・・叫んだ。

「そんなの嬉しくない!!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ