奪われた者、奪い返す者〜
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ガシャァン!!
割れた。
「ば、バカな・・・こ、この障壁は絶対壊れないようプログラムされ・・・」
「アハッ、コワレタ・・・♪タノシイネ・・・ネェネェ、ツギハオマエヲコワシテイイ?」
ここで初めて・・・目の前の男の顔に恐怖が宿った。
「く・・・来るな!この・・・!」
須郷が手を振るとワタシの体が少し重くなる。
「・・・コレ、ヤメテヨ。ウゴキニクイジャン」
ワタシは止まらずに体を揺らしながら歩く。
「くそ、なんで・・・何で止まらないんだよ!?」
「・・・テイ」
ビュオン!
腕を適当に振ったら・・・須郷の顔を掠めた。
「いつっ・・・ぺ、ペインアブソーバ・・・」
「・・・ダーメ」
須郷を蹴り飛ばす。
「セッカクイタミガアルノニ・・・ケシタラモッタイナイヨ・・・ネ?ウフ、ウフフフフ、キャッハハハハハ!!」
あんなに、あんなに余裕そうにしていた男がワタシに怯えてる。嬉しい・・・楽しい・・・もっと・・・もっと悲鳴が聞きたい・・・レベル3から現実に影響が出るみたいだけど、頭をゆっくり握り潰したらレベル8でも凄く痛いかな?それとも体をバラバラにした方がいいかな?それとも、それとも・・・
「(ニタァ・・・)」
「ひっ・・・」
笑いが、止まらない。この感じならリアルでも使えそう。そうすれば誰にも左右されないで・・・アア、ソウゾウガトマラナイ・・・♪
「ば、化け物・・・来るな!」
「ワタシネ・・・イッパイ、イーッパイオレイガシタイノ・・・」
「あ・・・ああ・・・」
ログアウトして逃げればいいのに・・・逃がさないけど。
「ジャア・・・イクヨ・・・?」
手を振り上げる。アバターってどんな感じ潰れるんだろ。せーの・・・
「早貴!止めて!!」
・・・動きを止め、アスナを見る。アスナは・・・泣いていた。・・・アア・・・
「マッテテ・・・スグオワラセルヨ・・・」
「違う・・・だめ、だめよ・・・」
「・・・ナニガ・・・?」
「よく、よく解らないけれど、その力はだめ。早貴が・・・早貴じゃなくなっちゃう!」
「ヘンナ、オネエチャン・・・ワタシハ、ワタシダヨ・・・?」
「違う!早貴はそんな・・・人を傷付けて笑うような子じゃない!だから止めて!」
「・・・ヤダ」
「早貴・・・!」
「ヤダ。ダッテ、コレガアレバオネエチャンヲマモレルモン」
「・・・!」
「オネエチャンハ、ワタシガマモルノ。オネエチャンガワラッテレバ、ソレデイイヨ。・・・ウレシイデショ?」
「・・・しくない」
アスナが・・・叫んだ。
「そんなの嬉しくない!!
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