奪われた者、奪い返す者〜
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地する。
「リパル!返事をしなさい!」
『(ジジ・・ジ)だ・・・大丈夫ッス・・・何とか』
「何よ・・・心配して損したわ・・・」
『心配してくれたッスか?』
「む・・・わ、悪い?じゃなくて、何があったのよ」
・・・あちらを見てたけど、もう余裕がない。詠とリパルが無事なのを確認して俺は思春に意識を戻す。
「はぁぁぁ!」
「っ!」
思春が斬りかかってくる。それを受け、逸らして蹴りを放つが、同じタイミングで蹴りが出され、防がれる。そのまま反動を利用して回転して横薙ぎに擬音を振るが、それもほぼ同じ軌道の一撃で逸らされた。
「・・・何故だ」
「何がだ?・・・っと!」
「何故私はお前の動きがわかる。何故私はその戦い方を知っている?」
「簡単な話だよ。この戦い方はお前の・・・誇り高き呉の将、甘 興覇の戦い方だからだ」
「違う・・・私は・・・」
「違わない。お前は俺の憧れた・・・俺の好きな・・・甘寧・・・思春だ!ロビン・グットフェローなんかじゃない!!」
「ぅ・・・!?う、あああああ!!」
思春が頭を抑え、叫んだ後・・・鈴音を構えた。
「でやぁぁぁぁ!!」
「・・・おおおお!!」
俺は全力で当たろうとして・・・擬音を宙に投げた。
「っ!」
そして思春の一撃を避け、擬音をつかーーーー
ガァン!
「・・・!」
・・・手に取る筈だった擬音は遥か遠くに飛ばされていた。見れば思春は空振った状態から一回転して擬音を蹴り飛ばしたみたいだ。・・・普通なら面喰らって擬音を弾こうって発想は出ない筈だが・・・
チャキ
「・・・二度、同じ手は通じない」
「・・・どうかな?」
首に鈴音が突き付けられるが・・・敗けではない。何故なら・・・
「俺の腕を見なよ」
「何・・・?」
俺の亮腕からは光の爪が伸びていた。さっきのすれ違い様に詠唱しておいたのだ。右の爪は鈴音を弾ける位置に、左の爪は思春の首もとを捉えていた。
「・・・なるほど、また私の負けか・・・亮」
・・・さっきの台詞からまさか、とは思ったけど・・・
「思春・・・もしかして・・・」
「ああ・・・すまない、全て思い出した・・・亮の声が、私を目覚めさせてくれた」
「思春・・・!」
爪を消し、俺は思春を抱き締めた。
「なっ!?お、おい!何を・・・」
「よかった・・・!」
「・・・亮・・・」
「よかった・・・思春だ・・・また、こうやって話してるし・・・触れてるんだ・・・また会えて嬉しいよ、思春」
「・・・ああ、私もだ。亮・・・」
「・・・すまないが
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