奪われた者、奪い返す者〜
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音を使えば・・・極限まで思春の真似ができる筈だ。
「キャプチャー・・・コンプリート」
ゆっくり呟く。世界の修正力で能力は発動しなかっただろうが・・・己に気合いを入れる言葉には充分過ぎるものだ。俺は擬音を逆手に持って引き抜いた。
「鈴の音は・・・黄泉路を誘う道標と思え!!」
「・・・!!」
俺は思春に向かって踏み込んだ・・・
早貴〜
須郷がニヤニヤしながらキリトを踏みつける。姿こそ妖精王のモノかもしれないが、そんなのものは関係なかった。アイツは須郷で間違いない。するとアスナが叫んだ。
「あなたのした事は、全部この眼で見たわ!!あんな酷いことを・・・許されないわよ、絶対に!!」
「へぇ?誰が許さないのかな?君かい?それとも神様かな?残念ながらこの世界には神はいないよ、僕以外にはねぇっ!!くっ、くっ」
須郷は更に強くキリトを踏みつける。
「やめない、卑怯者!!」
アスナの言葉を無視して、須郷はキリトから大剣を抜く。それをくるくる回して遊びながら口を開く。
「・・・それにしても桐ヶ谷君、いや・・・キリト君と呼んだ方がいいかな。まさか本当にこんな所まで来るとはねぇ。勇敢なのか、愚鈍なのか。まあ今そうやってへたばってるんだから後の方かな。ククッ。まさか小鳥の巣にゴキブリともう一匹の小鳥がグルになって来るとはね!・・・そう言えば、妙なプログラムが動いてたな・・・・・・逃げられたか。あれは何だい?そもそもどうやってここまで登ってきたのかな?」
「飛んできたのさ、この翅で」
「・・・じゃあ早貴、君に聞こうか。どうやって来たんだい?」
「アンタに話すことはないわ・・・!」
わたしがそう言うと須郷はキリトから足を離し・・・わたしを蹴り飛ばした。
「早貴!!」
「君はいつからそんな口を利くようになったんだい?ま、いいか。君達の頭に直接聞けばいいことさ」
「なん・・・ですって・・・」
「君たちはまさか、僕が酔狂でこんな仕掛けを作ったと思ってるんじゃないだろうね?」
須郷は気持ち悪い笑みを浮かべながら続ける。
「元SAOプレイヤーの皆さんの献身的な協力によって、思考・記憶操作技術の基礎研究はすでに八割がた終了している。しかも試作型の実験も成功している。かって誰も為し得なかった、人の魂の直接制御という神の技を、殆ど我が物にしている!そして更に新しい実験体も手に入れたわけだ!いやあ、楽しいだろうね!!君達の記憶を覗き、感情を書き換えるのは!!考えただけで震えるね!!」
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