奪われた者、奪い返す者〜
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「ぬ・・・!?」
「お前は盗んだんだ。世界を、そこの住人を。盗み出した玉座の上で一人踊っていた泥棒の王だ!」
キリトの言葉に須郷はわなわなと肩を震わせる。
「こ、このガキ・・・僕に・・・この僕に向かってそんな口を・・・システムコマンド!!オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
・・・だが、須郷の声は虚しく空間に響くだけだった。
「い、言うことを聞け、ポンコツが!神の・・・神の命令だぞ!!」
キリトがわたしの近くまで近づき、小声で言った。
「悪いな、サキ。・・・今度は俺に任せてくれ」
「キリト・・・」
「あの時は亮とお前に任せてしまったけれど・・・アスナだけは俺の手で助けたいんだ」
わたしは・・・笑った。
「妹に・・・それ言うかな・・・でも、いいよ。キリトになら・・・お姉ちゃんを、お願い・・・」
「・・・ああ」
わたしだってアスナを助けたいけど・・・今は、キリトに任せるしかなかった。そしてキリトはアスナを見る。アスナは微笑み、小さく頷く。キリトも頷き返し・・・叫んだ。
「システムコマンド!オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
するとキリトの目の前に黄金に輝く剣が現れた。
「コマンド一つで伝説の武器を召喚か・・・」
キリトはそれを・・・須郷に投げ渡した。そして自らの大剣を拾い上げ、突き付ける。
「決着をつける時だ。泥棒の王と鍍金の勇者の・・・・・・システムコマンド、ペイン・アブソーバをレベルゼロに」
「な・・・なに?」
「逃げるなよ。あの男は、どんな場面でも臆したことはなかったぞ。あの・・・茅場晶彦は!」
須郷がその名を聞くと顔を歪めた。
「か・・・かや・・・茅場ぁぁぁぁ!!そうか・・・あのIDは・・・なんで、なんで死んでまで僕の邪魔をするんだよっ!!アンタはいつもそうだぁ!何もかも悟ったような顔しやがってぇ!!僕の欲しいものを端から浚ってぇっ!!」
「須郷、お前の気持ちも解らなくはない。俺も・・・あの男に負けて家来になったからな。でも、俺はアイツになりたいと思ったことはないぜ。・・・お前と違ってな」
「この・・・ガキがぁぁぁ!!」
須郷は声を裏返しながらもキリトに斬りかかる。だがキリトはそれを容易く避け、浅く須郷の顔に剣をかすらせる。
「いたっ・・・!」
今、須郷にはさっきとは比にならないくらいの痛みがあるだろう。肉を斬られる痛みはわたし・・・俺はよく知っていた。
「痛いだ・・・?お前がアスナに与えた苦しみは、こんなもんじゃない!!」
キリトの一撃が須郷の剣を持つ腕を撥ね飛ばした。
「アアアァァァァ!!手が・・・僕の手
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