第四十五話〜パパがママ?前編〜
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「……」
その手とライの顔を数回往復させ、ヴィヴィオは両手を目の前の手に乗せて自分で立ち上がろうとし始めた。
最初はうつ伏せの状態から上半身を起こし座るようにする。そして次はライの腕にもたれる様に体重をかけて立ち上がる。
立ち上がることが出来たヴィヴィオは嬉しかったのかその顔を笑顔で染めた。そして目線を合わせてくれているライの顔を見るとキョトンとした表情になる。
「……パパ?」
「アハハ、そうだけど今は女なんだけどね」
「パパがママ?」
「ア、アハハハハ」
どこか乾いた笑いを漏らしながら、ライはヴィヴィオを抱き上げた。
「あの、ライさん」
そんな中、ギンガがどこか申し訳なさそうな表情を浮かべながらライに話しかけてきた。
「ギンガさん、でしたっけ?」
「はい、ギンガ・ナカジマです。以前お会いしたときはお世話になりました。その……怪我を負ったと聞いたのですが、大丈夫でしょうか?」
「あの時の怪我なら、もうほとんど治っているから大丈夫です」
笑顔でそう返してくるライに少しだけ安堵の表情をギンガは見せた。先の市街地戦でギンガは少なくとも2回程、敵の攻撃からライに庇ってもらっていた。そしてその内の一回はライ自身が怪我を負うことになっており、ギンガはそれがずっと気がかりであったのだ。
「それはそうと――」
いきなり話題展開したライ。そのライの表情が真剣味を帯びていたため皆「何か重大なことでもあるのか?」と思い身構える。
「いい加減、髪が鬱陶しいのだけど何か括るものを持ってないかな?」
ライのそのお願いに身構えていた一同はズッコケた。
「ん?」
その皆の反応が意外だったのか、ライは不思議そうな表情を浮かべた。
「ヴィヴィオ、僕は何か変なことを――ヴィヴィオ?」
「(ジーーー)」
ヴィヴィオに尋ねようとした時にライは、ヴィヴィオが自分の胸を凝視していることに気付いた。
「どうしたの?ヴィヴィ」
「(フニフニ)……大きい」
「!!」
突然ヴィヴィオがその小さな手で女性のものとなったライの胸を触り始めた。いきなりのことに驚いたライはヴィヴィオを止めることもせずに身動きできずにいた。
「キャ、キャロ?いきなり僕の目を抑えてどうしたの?!」
「エリオ君は見ちゃダメ!」
この中でライ以外の唯一男であったエリオはキャロに目を抑えられていた。
「(ムニムニ)……柔らかい」
「ちょッ!……ヴィヴィ、オ………やめッ!」
初めて感じる女性としての刺激に耐えられず、しかしヴィヴィオを放り出すわけにも行かず、ライはヴィヴィオにされるがままになっていた。
「ヴィ、ヴィヴィ
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