第四十五話〜パパがママ?前編〜
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2人に、その場を代表してなのはが声をかけた。
「あの、すいませんがどなたでしょうか?ここは管理局機動六課の所有する施設なので、一般の方の立ち入りはできないはずなんですが」
その他人行儀な言葉に内心苦笑しながら、ライはギンガを降ろしながら集まってきた全員に言葉をかけた。
「見た目がというか、性別が変わっちゃったんだけど、僕はライだよ、ライ・ランペルージ」
「「「「「え?」」」」」
目の前の女性が何を言っているのか理解できない一同は、異口同音でそれしか言えなかった。その皆の反応に吹き出しそうになるのを堪えながらライは説明を続けた。
「大きな声では言えないけど、保管されていたロストロギアの効果でこうなったんだ。でも効果は一日程だから、気にしないでいつも通りに過ごしていいってはやてからも言われたから」
「「「「「はぁ」」」」」
ライのいきなりの説明に一同は呆然とそう答えるしか出来なかった。
「と、取り敢えず今日の訓練はここまでにするから、皆は――」
『解散して』となのはが言葉を続けようとしたが、それよりも早く新しい声が上がった。
「パパーーー……どこ〜〜〜……」
聞きなれたその声がする方に顔を向けると、こちらに走ってくるヴィヴィオの姿が見えた。ヴィヴィオはその小さな体を動かし、こちらに向かってくる。その速度は決して早くないが、精一杯の力を込めて体を動かしていることは一目瞭然であった。
「あ、ヴィヴィオ、そんなに走ると転――」
ヴィヴィオに注意しようとなのはが声をかけるが、全てを言い終える前にヴィヴィオは盛大にこけた。
幸い、使用していた空間シミュレーターの設定で地面は芝生になっていたため、大きな怪我を負うことはなかった。だが、ヴィヴィオは泣きそうな顔を動かすだけで中々立ち上がろうとしない。
「ヴィヴィオ!」
急いでヴィヴィオに近づこうとするフェイトであったが、なのははそれを片手で止めた。
「大丈夫。綺麗に転んだから大きな怪我は無いはずだよ」
「でも――」
「ヴィヴィオ、私はここにいるよ。頑張って起き上がってみようか?」
ヴィヴィオから少し遠目に離れた位置からなのははそう声をかける。
「うぅ〜〜」
こちらに来てくれないなのはの行動をどう受け止めたのか、ヴィヴィオは目尻に浮かべた涙を大きくした。
とうとう我慢できずに飛び出そうとするフェイトであったが、それよりも先にヴィヴィオの近くにライが両膝を揃えてしゃがみこんだ。
「ヴィヴィオ、立てる?」
「ふぇ?」
聞き覚えの無い声にヴィヴィオは反応する。
「痛いかもしれないけど、立てる?」
そう言ってライは両手をヴィヴィオの顔の前に差し出す
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