暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第四十五話〜パパがママ?前編〜
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―――」

 背後からグリフィスの気配と声が聞こえたため、事情を説明し始めるライ。だが、説明の途中でグリフィスが口を挟んできた。それと同時に自分の声がいつもより高いことにライは違和感を覚えた。

「あの……どちら様ですか?」

「……どういう意味ですか?」

 ライはグリフィスの問いの意味が理解できなかった。先程まで自分の名前まで呼んでいたというのに、今は自分が誰かを聞いてくる。その意味がライには全く理解できなかった。

「え、と……本当にライさんですか?」

「僕は自分のことをライ・ランペルージと認識しているのですが?」

 少しずつ視力が回復していたため、ライは今まで閉じていた目を開ける。そして視界に入ってきた物に首を傾げた。
 ライは今床に座り込む体勢である。そこまでは良いのだが、自分の体に掛かる白銀の絹糸のような物には心当たりがなかった。

「?」

 その糸がなんなのか確認するためにライはその糸を手で触り、元をたどると自分の頭に到達した。もちろん、ライの髪は体に掛かるまで長くない。
 手で髪をたどる際にライは自分の胸の部分に違和感を覚えた。そこには男性には在るはずのない重みと膨らみがあった。
 まさかと思いながらも、頭のどこかではもう既にライの中では今の自分の状態に結論は出てしまった。

「グリフィスさん、貴方の目の前に座っているのは………………女性ですか?」

 最後のフレーズを言い切るのに間を空けたのは、気持ちの整理をするためか、それとも現実逃避か、それは本人にしか分からない。
 ライの発した疑問にコクコクと頷くグリフィス。それを見てライは自分の横に置かれている手鏡に、持っていたハンカチを被せながら口を開いた。

「どうやら、ロストロギアの効果で性別が反転したようです。おそらくこの手鏡の鏡に対象を写すことが発動条件のようです」

 淡々と説明し終えた後、ライはため息をつき、グリフィスは驚きの声をあげた。



機動六課・隊長室


「で、ロストロギアの効果で今日一日は女性になったままなんか?」

「報告通りだとそういうことになるね」

 隊長室で事のあらましをライは説明していた。
 倉庫での出来事のあと、ライとグリフィスはあの手鏡の詳細を調べた。データによるとあの手鏡は写した物の性質を反転させる、という効果を持ったロストロギアであったらしい。
 『らしい』という言葉が付くのは、その手鏡の発動条件が不明であったからだ。実例としてどんなものが反転したのかの記録は残っていたが、そこに共通要素は無く、しかもその記録は曖昧な物も多かった。
 その記録の中で唯一共通していたのが、これの効果時間が二十四時間であるということであった。

「ハァ……」

 ライはこの
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