第四十五話〜パパがママ?前編〜
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機動六課・保管庫
その日、ライはシャリオとグリフィス・ロウランと共に機動六課の保管庫にいた。
「スイマセン、ライさん。このような雑務を手伝ってもらって」
「いえ、こういうのは慣れていますから」
ライはそう言いながら、等間隔で棚に並べられた物品を確認していく。その保管庫はどこか神聖な雰囲気が漂っていて、見ようによっては一種の神殿や美術館を連想させた。
この六課が保有している保管庫には、六課の活動途中で見つかったロストロギアや、本局に送られる物を一時的に預かり保管しておくための倉庫であった。
今、ライとグリフィスはその倉庫で保管物のリストを片手に、物品確認を行っていた。再三言うが、明らかに民間協力者がやることではないのだが。それを理解しているグリフィスはライに謝罪したのだ。
因みにこの2人は割と仲が良い。主に組織のトップの副官をしていたことや、そのトップの無茶な行動のフォローなど共感できる部分が多々あったことがその要因になっていた。
2人は取り敢えず、早く作業を済ませようと手を動かす。
少しの間、作業を進めるだけの静かな時間が流れる。最初、2人は纏まって行動していたが、作業が進むに連れて自然と距離が離れていく。そしてお互いの姿が棚で見えなくなった頃、ライは床に転がるある物を見つける。
「これは……手鏡?」
そこにあったのは瀟洒なデザインが成されていた手鏡であった。その鏡が落ちている一番近くの棚には、等間隔に置かれた物品の列の中に不自然に空いているスペースがあった。
「あそこにあったものか。でもなんで床に?」
取り敢えず、その手鏡の状態を確認しようと思ったライはそれに近づいていく。そしておもむろに手を伸ばすが途中でその動きを止めた。
「一応、これもロストロギアだから迂闊に触らない方がいいのかな?」
思いついたことを口にし、ライは取り敢えず鏡の見える部分だけでも確認していく。幸いどこにも損傷は見られず、ライは最後に鏡の部分を確認するために上から鏡の部分を覗き込んだ。
それが間違いということにも気づかずに。
「う〜〜ん、罅は入ってないか……ん?」
鏡に自分の顔が映ると同時にその鏡は光を放った。その光は瞬間的なものですぐに収まったが、かなり強い光であった為にライは目が眩んでいた。
(――前が見えない)
本人が思った通り、ライは少しの間視力が回復するのを待つことになった。だが、視力が回復するよりも先に先の光に気付いたグリフィスがその場に駆けつけた。
「ライさん?!どうかしましたか、今ひか……り……が………」
「グリフィスさん?スイマセン、ロストロギアの一つが床に落ちていて触りはしなかったんですけど、何かに反応してさっきの光が
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