第四十四話〜家族の役割〜
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いう表情をしてから口を開いた。
「さっき話していたことですけど皆さんはどう思います?」
「それって……親子か兄弟かって話?」
ティアナが確認の意味を込めてそう尋ねるが、キャロは首を横に振った。
「その話ではなくて、ヴィヴィオのお父さんがライさんなら、お母さんは誰なのかなって」
キャロがそう言った瞬間、テーブルの一角で大きな音が響いた。その場にいた全員が何事かと音のした方に顔を向けると、手を口で抑え、顔を真っ赤にして咳き込むライの姿があった。
ライの手には水の入ったコップがあったので、飲んでいた水が気管支にでも入ったのだろうと皆は予想していた。
なんとか咳き込むのを収めたライは早々に残っていた食事を食べきり、トレイを持って立ち上がった。
「皆、僕は先に失礼するよ」
返事も待たずにライはトレイを返却すると、どこか逃げるように食堂を後にした。
その一部始終を見ていた何人かは首を傾げる。ライが機動六課に来てからそれなりの日数が経っていたが、あそこまで分かりやすく動揺したところを見るのは初めてであったからだ。
「どうしたんだろ、ライさん?」
初めにその疑問を口にしたのはスバルであった。
「えっと、噎せているところを見られたのが恥ずかしかったんじゃないですか?」
エリオは自分の予想を口にしていたが、確信が持てていなかったためにどこか自信無さげになっていた。そしてキャロもわからなかったのか、首を傾げている。
だが、ヴィータとティアナは気付いていた。キャロの質問を聞いたせいでライが動揺したのであると。その証拠というわけではないが、食堂から出て行くときライの耳が真っ赤であったのが、この2人には見えていた。
さっきのキャロの質問は言い換えれば、『ライさんの伴侶は誰ですか?』と言っているようなものである。キャロ自身は意図して言ったことではなくても、そう捉えることができたのも事実である。
「そう言えば、ヴィヴィオ。ライを追いかけなくてもいいのか?」
ライが一人で出て行った為、残されていたヴィヴィオはいいのか?と思っていたヴィータが尋ねていた。
「お昼からはお仕事があるから、ご飯の後はザフィーラといっしょにいてって言われたよ」
機動六課・部隊長室
食堂から逃げるように出てきたライは、そのまま隊長室に向かっていた。今日ははやての部屋で書類仕事の手伝いと、その後に恒例のボードゲームをすることになっていたためである。
目的地である部隊長室の前に来るとライは部屋をノックした。
「…………?」
しかし、いつもならすぐに返ってくるはずの返事がいつまでたっても来ない。
(……留守かな?)
そう思いながら、確認の為に扉を開けるた
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