第四十四話〜家族の役割〜
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であるが、スバルの意見は最もだったので、その場にいる全員が揃って頷いていた。因みにこの場にいるのは新人メンバーとヴィータである。ライは今、ヴィヴィオと一緒に部屋にいて、病室で行っていた魔力制御の練習をしている。あれは見栄えがするので、ヴィヴィオが見ていて面白がるため、ライが昼間にヴィヴィオの面倒を見る際はいつもこれをしていた。
「でも、ライさんは年齢的に言えば親子というよりは兄妹になりませんか?」
スバルの発言に対してエリオが自分の意見を返す。そしてエリオの発言にティアナがピクリと反応し、小声で「兄さん」と呟いていたが、その場にいる誰もその呟きには気付かなかった。
「でも、いつもライさんのことを『パパ』って呼んでいますし、やっぱり親子って言ったほうがピンときますよ」
今度はキャロが発言する。その後しばらく、『ライとヴィヴィオの関係が親子か兄妹のどちらがしっくりくる関係か』という果てしなくどうでもいい議題を話し合っていると、ふとキャロがある疑問を口にした。
「パパがライさんなら、ママって誰でしょう?」
この話題が後に大きな出来事の引き金であることを今は誰も知らなかった。
機動六課・食堂
少し時間は早いが昼食を食べるために食堂に向かった一同は、そこでライとヴィヴィオを見つける。
「2人も昼飯か?」
その2人にヴィータが代表するように声をかける。手を繋いでいた2人はヴィータ達の方に顔を向けてくる。
「スバルたちか。うん、ヴィヴィオがお腹空いたみたいで。皆も?」
「はい、それにしても―――」
「?どうかした、スバル?」
こっちを見つめてくるスバルの視線が気になってライは尋ねる。
「いえ、さっきみんなと話してたんですけど、ライさんとヴィヴィオって本当に親子にみえるなぁ〜って思って」
自信満々にそう言うスバルの言葉にはからかうような含みはなく、純粋に仲の良い親子を評価する微笑ましさを感じさせるものが含まれていた。
スバルの言葉を聞いていたヴィヴィオは不思議そうな表情をした後に口を開いた。
「パパはパパだよ?」
自分にとってはそれがとても当たり前なことであるように言ってくるヴィヴィオに、その場にいる皆は一瞬面食らった顔をするがすぐに笑顔になる。
その皆の反応が理解できなかったのか、ヴィヴィオは首をかしげていた。
一旦笑い終わるとその場にいる全員で食事を食べることになった。それぞれ自分の昼食をトレイに載せて、テーブルについていく。
因みにトレイを運ぶ際、スバルとエリオの特盛の昼食を興味深そうな目で見ていたヴィヴィオにライが「真似しちゃだめだよ」と、一言注意していた。
昼食を食べ始め、ある程度経った時にキャロがそう言えばと
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