第四十四話〜家族の役割〜
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
機動六課・食堂
ヴィヴィオが機動六課に来て、数日が経った。その数日の間にヴィヴィオは、はじめこそライ、もしくはなのはのどちらかにべったりであったが、今では2人が仕事をしている間はなのは達の部屋でザフィーラと共に留守番を出来るようになっていた。
まぁ、ここでツッコミを入れるべきところは、一般人のライが六課の仕事の一部を平気な顔をしながらやっていることであるが、誰よりも早くて正確な書類仕事や、機械の整備の仕事も手際よくこなすことから、誰も文句を言わないのだ。それでいいのか機動六課?
そんなある日。いつものように食堂にて皆で朝食を食べている時にライはあることに気付いた。
「ヴィヴィオ、ピーマン嫌い?」
ライの視線の先にはヴィヴィオの分の朝食が盛られていた皿の上に残っていた、緑色の野菜であった。
そのライの言葉にヴィヴィオは少し肩を震わせて反応を見せる。ライの方に顔を向けたヴィヴィオは眉根を寄せて素直な気持ちを口にした。
「にがいのやぁ〜」
そのヴィヴィオの言葉に食堂で朝食を食べていた一同は苦笑していた。
「食べたくない?」
ライの質問に遠慮がちに頷くヴィヴィオ。
「う〜ん、でもねヴィヴィオ。これを作ってくれた人はヴィヴィオに食べてもらえると嬉しいと思うよ」
「え?」
「この朝ごはんを作ってくれる人は、毎日僕たちが元気で頑張れるように考えて作ってくれているんだ。だから、ヴィヴィオがもしそれを残したら作ってくれた人は悲しむと思う。ヴィヴィオも悲しいのは嫌だよね?」
「うん…………(パク)」
ライの言いたいことが理解できたのか、ヴィヴィオは思いきって皿の上に残っていたピーマンを口に入れた。モゴモゴと数回口を動かし飲み込む。それだけの動作だが、それをした本人はとても頑張りましたという表情を浮かべた。
それを見ていたライは笑顔で頷き、一同はヴィヴィオに拍手を送った。
「……どうする?」
ヴィヴィオの座るテーブルから少し離れたテーブルに付いていたエリオは、同じテーブルに付いていたキャロにそう尋ねた。
彼女は自分の苦手な人参をエリオの皿に移そうとしていたのだが、ライとヴィヴィオの遣り取りを見てその動きを止めていた。
「……自分で食べます」
それは年上であるからか、それともライの言葉で恥ずかしくなったのか、とにかく顔を朱色に染めながらキャロは、人参の送り先をエリオの皿から自分の口へと変更した。
機動六課・隊舎
午前中の訓練が終了し、フォワード陣が揃って隊舎に向かう途中ふとスバルが思ったことを口にした。
「そう言えば、今朝のライさんとヴィヴィオのやり取りって本当に親子みたいだったね」
いきなりの話題
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ