第78話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(前編)
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我が主を侮辱するその言葉。例え同じ騎士と言えども許す訳には行かん!」
「だったらどうするってんだよ?」
「こうするまでだ!」
持っていたレヴァンティンを力一杯振り回す。それによりヴィータのアイゼンが大きく弧を描き後方へと跳ね飛ばされた。
完全に無防備となった其処へすかさずシグナムは駆けた。両手で柄を握り締めて脇に刀身を収める構えを見せる。逆袈裟掛けに切り払う為の構えだ。
「シグナムさん、まさか……」
「待つんやシグナム! 救う方法はあるんや。焦ったらあかん!」
「主、例え共に寝食を過ごした間柄の騎士だとしても、現主である貴方を侮辱する者を許す訳には参らないのです!」
シグナムの振るう一撃に迷いはなかった。完全にヴィータを殺すつもりでその刃を振るった。
「づっ!」
脇腹を抑えつつヴィータはよろけた。シグナムの放ったとどめの一撃はヴィータの脇を掠めたのだ。
抑えるヴィータの手にはうっすらと血が浮き出ているのが見える。
「くっ、浅かったか……」
舌打ちを付き、再度構え直す。
「どうしたヴィータ。かつての仲間に同情したのか?」
「戦えないのなら下がりなさい。弱者など私達ゴルゴムには必要ないのだから」
「貴様等……」
かつてのシャマルとザフィーラからは想像もつかない言葉が投げつけられた。まるで仲間を道具扱いしているかの様な発言なのだ。
それがシグナムにはとても信じられなかった。今のこいつらが、かつて死線を共に潜り抜けてきた守護騎士達だと言うのだろうか?
「うっせぇ、ちょっと掠っただけだ! まだやれる」
「ならばやれ。裏切り者に情けなど掛けるな!」
「言われなくてもそのつもりだってんだよ!」
売り言葉に買い言葉を交え、ヴィータはアイゼンを構え直した。
「さっきは油断したけど今のでてめぇの太刀筋は読めた。もう当たらねぇよ!」
「そうか……ならば!」
再度刃を振るった。今度も迷いはない。一撃必殺の思いでそれを振るった。
金属音が響いた。肉の切れる音は一切しない。見ればシグナムの放った一撃はヴィータのアイゼンであっさりと受け止められてしまっていたのだ。
しかも、それだけでなく、今度は逆にアイゼンがシグナムのレヴァンティンを大きく振り払う。そして、無防備となったシグナムの脇腹目掛けてアイゼンの猛撃が飛び込んできた。
「ぐっ、はぁっっ!!」
シグナムの口から吐血と共にこの声が聞こえてきた。アイゼンの無情な一撃は彼女の脇に深くめり込み肉に食い込んでいく感触がそれを通じてヴィータの手に伝わってきていた。
「トドメを刺すだぁ? 切り付ける寸前で力を緩めてる時点でてめぇにはそれがないんだよ」
「な、にぃ……」
「気付かなかったのか? さっきの一撃だってお前は躊躇した。裏切り者がお涙頂戴のドラマ演出で
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