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スーパーヒーロー戦記
第78話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(前編)
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かの様に、怪人達の群れから一人、静かにヨロイ元帥の隣にそれは現れた。
 現れたそれを見た途端、フェイト達三人は正しくド肝を抜かれた様な目をした。
「呼んだか? ヨロイ元帥」
「遅いぞ! 俺が呼んだのならすぐに来い!」
 苛立ち混じりにヨロイ元帥が叫ぶ。その隣に居た者。赤い仮面に緑の瞳をした、白いマフラーを首に巻いた存在だった。
「か、風見志郎……さん!」
「何だ女? 何故俺の名を知っている?」
 自分の名を呼ばれた事に疑問を持っているかの様に首を傾げる。どうやら彼はフェイトの事を完全に忘れ去ってしまったようだ。それだけじゃない。
 彼にとってデストロンは仇同然の相手だ。その相手と行動を共にする事など決して有り得ない。
「風見さん! 一体どうしたんですか?」
「無駄だ! 風見志郎、いや仮面ライダーV3は今や我等デストロンの主力となったのだ! さぁ、仮面ライダーV3よ、其処に居る死に損ないを片付けろ!」
「任せろ」
 何の迷いもなくV3は拳を握り締めて構えた。今の彼はデストロンの兵力であり敵でしかない。戦わねばならない相手なのだ。
「目を覚まして風見さん! デストロンは貴方の仇の筈でしょ!」
「敵と話す事はない。お前は俺の敵。だから俺はお前を倒す。それだけだ!」
 一切の躊躇なくV3の拳が放たれた。間一髪でそれをフェイトはかわした。
 だが、頬を掠めたその一撃からは寒気が感じられた。其処へ更に連続して攻撃が繰り出される。
 その全てに凄まじいまでの殺気が込められている。
「フェイト!」
「アルフ!」
 苦戦するフェイトにアルフとユーノの二人が加わる。二人にとっても心が痛い相手であった。共に戦った風見志郎が、仮面ライダーV3が敵となってしまったのだから。
「何人でも相手になってやる! さっさとかかって来い!」
「そうかい、あんたがそう言うんだったら容赦しないよ!」
 アルフにとってはフェイトを守る事が第一だ。その障害となるのなら例えかつての仲間でも容赦はしないのが彼女なのである。
 そのアルフが仮面ライダーV3と激しい乱打戦を開始し始めた。
 互いに堅く握り締めた拳と拳がぶつかりあう。だが、勝負は既に見えている状態だった。
 アルフは先の守護騎士達との戦いで負傷し、消耗しきっている。それに加えて仮面ライダーV3はほぼ完全の状態だ。パワーで差が出始めてしまっていた。
「どうした? そんな拳じゃ虫一匹殺す事すら出来ないぞ!」
「ぐっ!」
「お前如きに時間を掛けるつもりはない! さっさとくたばれ!」
 勝負を掛けようとV3は空高く飛翔した。ジャンプした勢いで風力エネルギーを全身に受け、最大パワーで必殺の一撃を放つつもりなのだろう。生身でそれを受けてしまえば一溜まりもない。
「させるか!」
 決め技を放つより
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