第78話 集結する仮面の戦士達。デストロン最期の日(前編)
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堅く握り締めた拳を放っているザフィーラの姿が映っていた。
「ぐはぁっ!」
堅い拳がRXの胴体に突き刺さる。体がくの字に曲がり、衝撃が全身を駆け巡る。
「苦しいか? ならば大人しくキングストーンを差し出せ。そうすれば苦しまないように殺してやる」
「誰が……渡すものか!」
「ならば苦しみ抜いた後に殺してやろう!」
それから続けざまにザフィーラの連撃が繰り出された。拳、蹴り、膝、肘、あらゆる攻撃が襲い掛かってくる。それに対し、RXは全くの防戦一方になってしまっていた。
反撃が出来ないのだ。彼等に対して攻撃も反撃も出来なかったのだ。
「向こうももうすぐ終わるな。それじゃ、こっちもとっとと終わらせるとすっか」
ザフィーラの方を見ていたヴィータがシグナムの方を見る。シグナムと言えば、レヴァンティンを杖代わりにしてようやく立ち上がろうとしている所だった。
何とも無様で痛々しい姿だった。
「哀れだなぁ。かつては烈火の騎士とまで言われたお前が、其処まで落ちぶれるとはなぁ」
「落ちぶれるか……光栄だな」
「はぁ?」
「主の為であれば、私は幾らでも汚れられるし、幾らでも落ちていける! 主の為なら、この命を投げ出す事もいとわん!」
「あっそう」
興味なさげな感じの言葉を放ち、アイゼンを高く振り上げる。その目線には既にシグナムを騎士としては見ていない。唯、道の真ん中に落ちていた大きなゴミとしてしか見ていない目であった。
「じゃ、今すぐに死ね」
無情、余りにも無情な言葉が放たれ、その無情な一撃が今、シグナムへ向けて振り下ろされる。
「駄目や!」
それをはやてが阻止した。背後からヴィータを掴み、とどめの一撃を阻止したのだ。
「んだよ。離せよこの野郎!」
「もう止めてやヴィータ! こんなの、こんなの見てられへんよ!」
「一々うっせぇ奴だなぁ! だったらまずてめぇから死ねぇ!」
背後から掴んでいたはやてを強引に振り払う。その際にはやてはバランスを崩し地面に倒れこんでしまった。そんなはやてに向かい、ヴィータの無情なまでの一撃が繰り出されていた。
その一撃ははやての脳天を目指していた。一撃で彼女の頭を砕き、絶命させる為の一撃だ。
はやては見えていた。ヴィータの放ったアイゼンが自分を狙っていると言う事に。だが、動けなかった。まるで体全身が金縛りにでもあったかの様に。はやては迫り来るアイゼンを凝視していたのだ。
突如、目の前が暗くなった。かと思うと、今度は肉を潰した様な音と骨が砕けたような音が響いた。
「え?」
「ぐああぁぁ………がはぁっ!」
はやての前にシグナムが立ち塞がった。自分の背を盾代わりにしてはやてを抱き締める形でアイゼンから彼女を庇ったのだ。そして、はやての頭を潰すつもりで放たれたアイゼンはシグナムの背
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