第十三話 存在する価値
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われて思わず口を噤ませるが、ふと思い出した案を言う。
「そうだ、オーブを使えばいい。こないだも面白いものが飛び出してきたし、反論できまい」
アークエンジェルの画像を出しながらそう言うジブリール。元々戦力として見てなかったのだから使い潰した所で問題ないだろうと考えてのことだ。
「民衆はね、どうせ強い方に付くんですよ。ここであの艦を落とせば向こうの士気は一気に落ちる。そうなれば一気に戦況も傾きますよ。その頃になればあれも完成してるでしょうしね」
ジョゼフも勝手に納得してくれたと思い、胸をなでおろす。オーブを使うという案は意外と妙案だなと思いながら手配するように自分の部下に命じさせていた。
◇
「まあ色々あって代表が不在というとんでもない状況のわが国だ。だからこそ、国の姿勢ははっきりと示しておかねばならない!しっかりとよろしく頼むよ……今度こそ!」
オーブ軍の出兵を命じられ、アークエンジェルの件を含め色々と言われたユウナはオーブ軍の出撃を行う事にする。ユウナは国民の不安を取り除く為には指導者足り得る英雄が必要だと思い、自ら出陣することも告げていた。
正直言って政治家としてはともかく軍人に向いていないであろうユウナが来ることには大いに反対したいが、ただの一艦隊指揮官であるトダカ一佐にそれを行う権限はない。
「戦力は空母タケミカヅチが一隻、その護衛艦が六隻か。しかも喜望峰回りとはな」
溜息をつきながらトダカ一佐は発進を命じた。唯一の救いはこんな義のない戦いで、不満を持つものが多くてもオーブを守るという信念の為に士気は高いということ位だった。
しかし、実際に現場にたどり着いてみれば仮面をかぶる様な凡そ信用できないであろう大佐に良いようにユウナは言い包められる。
「ですから、ザフトの要となっているであろうミネルバをここで落とすことが出来れば、敵の軍勢は一気に総崩れとなるでしょう」
「素晴らしい!流石はオーブの総司令官。ユウナ殿は政治家としてだけでなく将としての才能もあるようだ。でしたらミネルバに関してはそれでは先陣を切ってザフトを誘っていただき、こちらはその側面からということで、貴君らにお任せしても?」
「そうですね、それが美しい!」
調子よく褒め称え、ユウナをその気にさせつつ、自分たちは後方で援護を買って出ると言う。一見すればユウナはミネルバという首級を譲ってくれたと捉えれるが、実際は盾、弾除けとして使われ、こちらを含め敵が消耗したところで叩き潰す算段なのだろう。
トダカ一佐にはそれがありありと理解できたが、どうすることも出来ない。
「任せてくれたまえ!よし―――全軍、ダルダロスの暁作戦、開始!」
「は?」
いきなり訳の分からない作戦名を告げられ流石
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