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とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、手を握る
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ってる顔がキリの字ぐれぇしかいなくてよぅ。正直不安だったんだよなぁ」
こうなってしまった以上、彼らは遅かれ早かれ、《投刃のユノ》の噂に辿り着く。
……辿り、着いてしまう。

「しっかし、攻略組ってのもすげぇもんだな。嬢ちゃんみてぇな小さい子までいるなんてよ。ボスと戦うのが怖かねぇのか?」
それを知った上でも、クラインは僕を避けることはしないだろう。
他のプレイヤーから後ろ指をさされようと、キリトたちのように分け隔てなく接してくれることだろう。

でも、だから。
だからこそ、僕は関わっちゃいけなかったのに。
なんだって、シェイリは。よりにもよってこのタイミングで、僕の名前を出してしまったんだ。
彼女は一見空気が読めてないように見える、けど───?

───けど?

けど、何だ?
一見空気が読めてない、けど?
実は本当に読めてない?

───いや、違う……。

彼女は一見空気が読めてないように見えて、本当に空気が読めてないなんてことは一度もなかった。
本当に空気が読めていないなら、アスナやキリトとの関係が良好になっているはずがない。
あの攻略会議の時だって、場の空気を凍らせたのは事実だ。
だけど、あの場の誰もが考えてもいなかった『ボスのデータが変更されている可能性』に、いち早く気付いていたようにも思える。

……そうだ、気が付いた。
ついさっき感じた、違和感の正体。
彼女は空気が読めていないように見えるけど、本当に無神経なことは決して言わない。
だからこそ、僕はシェイリのマイペースさに振り回されつつも、それを不快に感じたことは一度たりともなかったんだ。

だったら、さっきのは。
空気が読めていないなんてことはないはずのシェイリが、わざわざこのタイミングで割り込んできた理由は。
それは、もしかすると。

───シェイリ、君は……。


────────────


「まー、なんにせよアレだな。こんな所で会ったのも何かの縁だろ」
そう言って。
僕に向かって、右手を差し出してくるクライン。
何を求められているのかくらい、流石に僕だってわかる。

「オレ達はこれからもボス攻略に参加するつもりだからよ。同じ攻略組同士、仲良くしようぜ、ユノ」
握手。
簡単に、それでいて効果的に、相手に対する好意を示すための動作。

「………」
その──手《好意》を。
僕は、受け取っていいのだろうか。
受け取る資格が、《投刃のユノ》には、あるのだろうか。

あれだけ啖呵を切っておいて。
あれだけ悪意を振りまいておいて。
何も知らない相手からの好意を、のうのうと受け取っていいのだろうか。

「ユノくん」
「……うん、わかってるよ」

僕は、その手を、

「よろしく、ク
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