第二十一話 決着 前編
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ている。
けれど、アリシアの動きを止めるには十分だった。
皮膚から筋肉まで凍り、その動きを止める。
「なのは!」
クロノがなのはに合図を送る。
「うん!」
なのははレイジングハートを高く掲げる。
「いくよ、レイジングハート」
『All Right,My Master』
彼女は勢いよく、相棒を振り下ろす。
「スターライト! ブレイカー!」
暴発寸前の魔力の塊が、アリシアに向けて一気に解放される。
それはアリシアを包み込むと海水を押しのけ、そのまま海底まで届いた。
「なんつうバカ魔力!」「うわぁ、間近で見るとすげぇ……」
二人もその威力に目を奪われていた。
普通なら戦闘不能になる魔力の奔流。
けれど、アリシアはまだ動いていた。
「―――――――アアアアアアアアアアアアアアアア!!」
体のあちこちを凍らされ、なのはの魔法を受けてもなお、まだ動き続ける。
「くっそ、これでもダメか」
「いや、かなり効いてる、あともうひと押しだ!」
アリシアは目に見えるほど弱っており、あと一回なのはのスターライトブレイカーを当てれば墜ちると容易に推測できる。
その時だった。
上空から落ちた強力な雷撃が、アリシアに直撃する。
「アアアアアアアアアアアアアアア、アアアアア、アア、ア、ァ…………」
蓄積していたダメージが限界に達し、彼女とロストロギアが分離する。
分離したロストロギアは砕け、海中に消えていく。
同時に、アリシアも力を失い、落下し始める。
「おっと……」
それを受け止めたのはクロノだった。
彼はバリアジャケットも解除されたアリシアに魔力で編んだ即席のマントがかぶせる。
「それより今の雷って「フェイトちゃん!」」
刃の言葉はなのはの声にかき消される。
なのはの見上げる先に、目に強い意志を宿し、復活したフェイト・テスタロッサの姿があった。
side フェイト
誰かが、戦う音が聞こえる。
意識を取り戻した私は、少し首を動かして画面に映る彼女たちのことを見る。
なのはがアリシアと戦っていた。
シグルドさんがレイと戦っていた。
いくらバインドが砕かれても、なのはたちはあきらめない。
レイの圧倒的な力を目にしても、彼女は立ち向かう。
彼女たちは自分と同じくらいの歳のはずだ。
なのに私は何をしているのだろう?
母さんが死んでいると知った時、とても悲しかった。
自分が造られた偽物だと知った時、とても辛かった。
私が、
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