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SAO─戦士達の物語
キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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も……隣で戦闘してて、人型がプレイヤーの方にヘイトむ、むけないなんて……お、おかしいと思うわよ?」
「そ、そうよね……確かに、ヘイト管理するにしてもちょっと現実感が無いわ……」
アウィンのようすに若干苦笑しながら、シノンも彼女の意見に同意した。

「いや……多分ありゃぁ……」
「あっ……!!」
リョウの言いかけた言葉を、リーファのか細い声が遮った。
もう一度邪神とレイドパーティの居る方を見ると、戦闘が終わる場面だった。
当然、勝者は人型邪神とレイドパーティの側だ。攻撃に耐えきれなかったらしい象水母が地面に横倒しになり、其処にとどめのスペルと鉄剣が降り注いで……
ひゅうるるるるるぅぅぅぅぅぅぅ…………と悲しげな断末魔と共に象水母の巨大な身体が割れ砕け、爆散した。

「っ……!」
くおぉぅぅぅ……とトンキーが悲しげに鳴いて、その上に居たリーファが顔を伏せ、肩を震わせる。アスナの頭上に居たユイも、深く俯いて居るようだ。

「リーファちゃん……」
少し心配そうなレコンの言葉が聞こえた、しかしそれ以上何も言えず、少し悔しそうな顔をしたレコンを一瞥して、リョウは再び正面の状況見る。
其処にはこれまた奇妙な光景が広がっていた。テイムは愚か、プーカによって扇動されている訳でも無ければ、まして魔法による幻惑状態でも無い人型邪神と、その足元のレイドパーティが……再び連れだって新たなターゲットを探しだしたのだ。

「な、何で戦闘にならないんだ!?」
「そう言うクエなんだろ。ほら、アレ見ろよ」
驚いたように言ったキリトに、リョウは面白くもなさそうに右側の丘を指差した。そこでは同じように、大規模なレイドパーティが二匹の人型邪神と共に多脚ワニ型の邪神を狩っている。がぁ……と、小さな声でミコが鳴いた。

「人型と協力して動物型を狩る。さっき言ってたスロータークエって、要はそう言うクエなんじゃねぇのか?」
「…………!」
リョウの発言に、殆ど全員が息をのんだ。そんな中、サチがおずおずと言った様子で言う。

「で、でもリョウ、それって、おかしくないかな?だって、あのダンジョンには人型の邪神が居て、その奥にエクスキャリバーが有るんだよね?なら……」
「動物型では無く、人型を倒すのが通りの筈。人型と協力して邪神を倒せばエクスキャリバーが手に入ると言うのは、少々矛盾していますね」
サチの言葉を、ヒョウセツが受け取って言った。
確かに、リョウはむぅ?と唸ると、少し考えこむように黙りこむ。しかし、思考がまとまるより前に、新たな事が起きた。

「んぉう!?」
「えっ!?」
後方に座っていたクラインとアイリから声が上がり、反射的に全員がそちらを向く。
丁度トンキーとミコの間辺りの空間に、光の粒が集まり始めていた。それはやがて人の形に凝縮し
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