キャリバー編
百二十五話 女王の請願
[6/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
兄貴、何時の間にこんなデカイ虎さんと知り合ったんだ?」
デカイ虎さん、とは勿論ミコの事だろう。妙な言い回しに苦笑しつつ、リョウはあっけらかんと答える。
「前に一回、サチと一緒にちーっとな。あれがホントにクエストフラグだったのか確かめたくてよ、死に戻り覚悟で、ためしにヨツンヘイム行ってみたんだわ。勿論、呑まれてな?」
ニヤリと笑ったリョウに、サチが抗議の声を上げた。
「うぅ……何にも教えてくれなかったんだよ。リョウ。唯ついてこいって言うばっかりで……」
「そりゃひどいな」
キリトの苦笑に爆笑しつつ、リョウの話は続く。
「んで、降りてめんどくせぇ邪神共を避けつつ進んでったら、岩に囲まれたとこで身動き上手くとれずに、邪神にボッコにされてる此奴を見つけたわけだ」
後はトンキーの時と同じだ。と、リョウは肩をすくめた。まぁサチとしては始め「あの邪神に魔法一発頼むわ」と言われて何を言っているのかと思ったものだ。ついでに言うと、平地に出て追いつかれかけた所に機動力を取り戻してスピードと運動性で人型邪神を圧倒したミコを見た時には、心底ほっとしたものである。
「へぇ、羽化はあったのか?」
「いんや。見ての通り羽ねぇしな。ただその後ボイドの近くまで連れてかれてしばらく寝てたぜ?その後起きたら身体が光って、今じゃこの通りだ」
軽くミコの頭の一部を掻きながら、リョウは言った。ガァ、と心なしか嬉しそうにミコは鳴いて、そんな事を言っている間にも二匹はドンドン空中を進んでいく。と……
「ん?」
リョウがふと視線を向けたその先で、突然、トンキーが羽を鋭角にたたみ……自分の下で、ミコがふと身構えたのが分かった。
「っ!お前ら捕まっ!!?うぉぉ!?」
「え、きゃぁっ!?」
「な、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」
「わっ、ィヤッホーーーーゥ!!」
六人其々が其々の大声を上げた。何故かと言うと……トンキーとミコ、それぞれが行き成り、一気に地表に向けての急行下を始めたからだ。
ちなみに隣のトンキーの上では、女性陣が甲高い悲鳴を上げている。
ミコとトンキー、それぞれの背中に生えたふさふさの毛にしがみついて、四人は必死に急降下の風に耐える。殆ど落下するような降下でみるみる内に迫る地表を見ながら、リョウは考えた。
今までなら素直にダンジョンまで背中に乗せて言ってくれた二匹が行き成りこんな行動を取ると言う事は……
『なんか……イベントかぁ?』
そうこうしている内に地表が近付き、一気にブレーキを掛けた二匹にメンバーはそれぞれの邪神の背中に押し付けられるような形になる。
「っつぅ、お前ら、無事か?」
「う、うん」
「なんとか……」
「ったくなんだってんだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ