キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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巻の一言だ。と言っても、彼等の目の前に有るそれもまた、大したものだが。
見た目としては、世界樹の根によって支えられた、巨大な逆三角形の氷のピラミッドだ。
近すぎるためリョウ達には最早巨大な氷塊のように映るが、しかしその尖端には確かに今も、少しだけキラリと時折光る物が有った。そこに、《聖剣エクスキャリバー》が有る……
「うっし、アスナ、サチ、頼む」
「うん」
「はい」
リョウが言うと、後方支援組の二人が同時に同じスペルワードを唱え始める。唱え終えると、まるで上等のダウンジャケットを着込んだように、メンバー全員の身体からそれまであった刺すような寒さが消えた。凍結耐性上昇の支援魔法である。
「おっけ」
「うん……そう言えば、リョウ兄ちゃん」
「ん?」
「考えが有るって言ってたけど……一体……」
「あぁ、ま、すぐわかるさ。良いからほれ、トンキー呼べよ」
「う、うん」
頷くと、リーファは虚空に向けてピィィィィィィィッ!と音高く口笛を吹いた。
数秒すると、ボイドの広がる眼下の暗闇の中に、白い影がポツン、と表れ、くるぉぉぉぉ…………んと言う鳴き声が響いてきた。
表れたのは超巨大な空飛ぶ象クラゲ。しゃもじのような白く平べったい胴体に八つの大きな羽。以前は陸上歩行型だったのが、「羽化」して変化して変身した、なんとも奇妙な姿だ。
「トンキーさーーーーーん!」
ユイが嬉しそうに呼びかけると、トンキーは再びくるぉぉぉぉーーーーんと鳴いて一気にらせん状の軌道を描きながら上昇してくる。
ドンドン大きくなるそのシルエットに、クラインやシリカ、リズ、シノンが一歩後ずさる。アイリとアウィンは興味深々と言った様子で、ヒョウセツは邪神自体は見慣れているためか無言で見ている。
「大丈夫大丈夫。彼奴ああ見えて草食だからさ」
キリトが後ずさった四人にそう言うが、そこにすかさずリーファが……
「この間、お魚上げたらペロッと食べたよ」
「へ、へぇ……」
引きつった笑いを浮かべて答えたキリトの後ろで、一度後ずさった四人が更に後ずさる。
ついに全員の前まで上がってきたトンキーは、その象っぽい顔でメンバーを見渡し、長い鼻の先のふさふさと家毛の生えた部分で位の棘棘した頭をわしゃりと撫でる。
「うびょるほっ!?」
「へぇ、結構可愛いじゃない」
「ほんと〜」
訳のわからない声を上げたクラインの横で、アウィンとアイリがそんな事を言った。アイリなどはトンキーの鼻をカリカリと掻いてやっている。
「でしょ〜!」
可愛いと行ってもらえたからか、リーファの何やら楽しげだ。
ちなみにリョウとしては……
「てかお前何で此奴は大丈夫で高いとこ駄目なんだよ?」
「そ、それとこれとは別の話でしょ!……って、いうか……ねぇ、リーファ
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