キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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ノンがキリトの顔を引っ掻こうと爪を振るうのをキリトがひょいひょい避けると言うコメディチックな展開が巻き起こっていて、それが更にリョウの笑いを増長させる。
「アンタ、次やったら鼻の穴に火矢ブッ込むからね!!」
「っはっはっはっはっはっはっ!!!!」
フンッ!と言って前を向いたシノンの後ろで、リョウが爆笑を続ける。
と、リズ、シリカ、リーファ、アスナと、肩の上のユイは完璧に同機した動きで首を左右に「やれやれ」と振り、サチは苦笑、アイリはリョウと同じくつぼったらしく、必死に吹きだすのを堪えている。その後ろでヒョウセツはと言うと……
「あ、あの尻尾には、感覚が有るのですか?」
「あー、そうなのよね、ついでに耳にも。行き成り握られると……まぁ、何て言うか、飛んでも無く、アレな感じがするのよ」
「は、初めて知りました……」
そんな解説を、同じくケットシーのアウィンから受けていた。
「っはっはっはっはっはっ!!」
「リョウ兄ちゃん!!!」
相変わらず爆笑しているリョウに、シノンが流石に耐えかねたのか顔を赤くして怒鳴る。それを見てか後ろからサチが「リョウ、しーちゃんが怒ってるよ」と言って、ようやくリョウは笑いを抑える努力を始める。
「恐れをしらねぇなぁ、お前ら……」
「カオスだぁ……」
クラインとレコンが、そんな事を言っていたとか何とか。
────
それから五分ほどして、一行はヨツンヘイムの上空に有る、トンキーの乗り場に到着した。
トンネルから突然視界が開け、青白くキラキラとした氷の結晶が舞う、美しくも残酷な一面の銀世界が視界一杯に広がる。
「うわぁ……!」
「凄い……」
「すっごーい!!」
「へ、へぇ……」
ヨツンヘイム自体を見るのが始めてな、猫三名とアイリが声を上げる。シリカの頭の上に居るピナも、羽毛をパタパタとしきりに動かして興奮気味だ。
ちなみにアウィンは問言うと、前だけを真っ直ぐに見て絶対に下を見ようとしない。そう言えばこいつかなり極度な高所恐怖症だったなとリョウは思い出す。
実は今も見栄張っているだけで内心がちがちかもしれない。
「身ぃ乗り出して落ちんなよ。特に其処の水猫と食べ猫、後シルフ新人」
「単純にアウィン以外って言いなさいよ」
リョウの言葉に、苦笑しながらリズが突っ込んだ。
此処から眼下の地面までは、約一キロある。落ちれば間違いなく即死だ。ちなみに、地下でありながらこのヨツンヘイムは常に明るい。地上から漏れて来る僅かな光や、フィールドのそこら中に散らばる光る水晶、あるいは人型邪神が築いたのかあちらこちらに有る城塞で灯る青や黄緑色の灯が、全体を照らしているからだ。
真下を見ると、直径一・五キロと言う超巨大な大穴。グレートボイドがある。その何もかもを飲み込む迫力は圧
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