キャリバー編
百二十五話 女王の請願
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アルンの街の、世界樹側の端っこに、その扉は有った。
元々は鍵がかかっており、本来あの邪神救済のクエストを達成しなければ絶対に此方側からは開く事のない、そもそも、殆どのプレイヤーは一瞥しても装飾オブジェクトの一環と思って何もしないだろう。
そんな扉の鍵は、リーファ、キリト、リョウの三人がALOの世界樹攻略を終えた後、リーファがふとアイテム欄の端っこにあったのを見つけたらしい。恐らくは、トンキーを助けて世界樹の洞から出てきた際に、自動的にアイテム欄に追加されたのだろう。
そんな扉の中へ、メンバーは一列になって入っていく。
最後にレコンが入り、扉を閉めると、それは自動的に再施錠された。
「これは……」
「何段あるの?これ……」
「底見えないね……」
ヒョウセツ、リズ、アイリが呟くように言うと、アスナがはきはきした声で返した。
「うーん、アインクラッドの迷宮区タワー丸々一個分くらいはあったかなー」
そう言うと、クライン、シリカ、リズ、ついでにレコンとアウィン、アイリがうへぇ、と言った顔になる。
サチは苦笑しており、ヒョウセツも口の端が引きつっている。そんな顔にリョウは苦笑しつつ、13人は前進を始める。
と、リョウと同じく苦笑していたキリトが、突然こんな事を言いだした。
「あのなぁ、普通にヨツンヘイム行こうと思ったら、アルンから東西南北に何キロも離れた階段ダンジョン行って、モンスター倒しながら下に進んで最後に守護ボス倒してようやく到達できるんだぞ!普通ニ時間のとここのルートで行けば五分だぞ!俺がリーファなら一回1000ユルドでこのルート使わせる商売始めるね!!」
自慢するような事でも無いのを胸張って行った馬鹿ちんに苦笑して、リーファが突っ込む。
「あのねぇ、お兄ちゃん。此処通っても、出口でトンキーが来てくれないと落ちて死ぬしかないよ」
「つかそれなら、“アレ”に呑まれれば三分かからねぇぞ?」
「リョウ兄ちゃん思い出させないで」
重ねたリョウの言葉に更に突っ込んで、リーファはずんずん前に進んでいく。そんな妹の姿にうはははと笑って、リョウ達も後に進む前で、キリトは相変わらず何事かを言っていた。
「そんな訳だから、一段一段、感謝して降りるんだぞ」
「アンタが作った訳じゃないでしょ」
シノンの鋭い切り返しにキリトが黙りこんで話は終了……と思われた時だった。
「ご指摘ありがとう」
次の瞬間何を思ったか。キリトはスッと右手を出して……
ギュっ!!と思いっきりシノンの後ろでユラユラ売れていた彼女の“尻尾”を握った。
「フギャァッ!!?」
「ぶはっ!?」
突如、シノンが凄まじい悲鳴を上げ、その瞬間リョウが思いっきり吹きだす。何をするのかは分かっていたが、反応が面白過ぎた。
爆笑するリョウの前方で、シ
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