第四十八話 会食その十
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「どの様な方なのか」
「それではだ」
「すぐにスペンサーさんに連絡しますね」
高橋も言ってきた。
「それで五人で会おう」
「そういうことでね」
「はい、それで場所は何処ですか?」
上城は二人に会う場所について尋ねた。
「時間も」
「時間は。明日は日曜だからな」
二人は地連のジムでトレーニングをしていたのだ。それで二人共この地連の客室で会っているのである。
「君達に合わせられる」
「ではお昼はどうでしょうか」
大石から時間を提案した。
「そこでお昼御飯を食べながら」
「お昼か。それなら」
「それならとは」
「領事館の食堂に招待してくれるかも知れません」
「アメリカ領事館ですか」
「そこです」
工藤はこう大石に述べる。
「そこになるかも知れません」
「領事館の食事といいますと」
「これは私の聞いたところですが」
工藤はこうも前置きした。
「バイキングだそうです」
「バイキングですか」
「はい」
食べ放題の立会食、それだというのだ。
「それになります」
「何故バイキングですか?」
「アメリカ軍の関係施設ではよくありまして」
工藤はいぶかしむ大石にそこから話す。
「それでなんです」
「アメリカ軍ではバイキングは多いんですか」
「横須賀の基地でもです」
ある程度なら誰でも入られるのだ。アメリカ軍の基地は自衛隊のそれと比べてオープンと言えばオープンかも知れない。
「土曜と日曜の午前にはレストランでやっています」
「横須賀の基地ですか」
「勿論アメリカ軍の基地です」
相当な規模である。太平洋でのアメリカ軍の最大の基地の一つでもある。
「海軍のものですが」
「その基地の中のレストランで、ですか」
「日本円で千円で食べ放題です」
「本当に安いですね」
「しかも味もいいです」
「そうですね。アメリカも最近は料理の味がかなりよくなっています」
それは軍でもだ。アメリカの料理がまずいという話はもう既に過去のものになってしまっているのだ。
「イギリスとは違って」
「メニューも豊富です」
「アメリカの豊かさが出ていますね」
「食事はそうですね」
やはり日本よりアメリカの方が豊かだというのだ。
「自衛隊と比べると全く違います」
「自衛隊の食事は」
「比べ物になりません」
アメリカ軍と比べるとだと、工藤は少しに苦笑いになってそのうえで大石に対して述べた。
「本当に」
「ですが自衛隊は」
「はい、我が国は世界三位の国力で」
国力が軍を支える、この観点からの話だ。
「自衛隊も規模はかなりです」
「戦前の軍とは全く違いますね」
「遥かに豊かです」
装備も被服も住居も料理もそれこそ全く違う。まるで別の国の組織だ。
「ですがそれでも」
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