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万華鏡
第三十五話 厳島神社その七

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「自然なの。その神社ごとによって守る対象が違うのよ」
「じゃあ人の神様もなの?」
「そうよ」
 景子はこの場合もだと言うのだ。
「豊臣秀吉さんも織田信長さんも神様になってるから」
「神社に祀られてるからなの」
「もっと言えば徳川家康さんもね」
 日光東照宮だ、家康はそこで権現として祀られている。
「他にも武田信玄さんも上杉謙信さんも」
「神社に祀られたら神様なのね」
「靖国神社もそうよ」
 東京にあるこの神社もだった、朝日新聞が問題を焚きつけて国際問題になってしまっている神社である。
「あの神社も英霊の人達を祀ってるから」
「だからなのね」
「そう、あの神社の狛犬は神様になった人を祀ってるのよ」
 そうなっているというのだ。
「他にも火の神様、蛇の神様を祀ってるわよ」
「それでその神社によって」
「狛犬が守る対象も違うのよ」
「そういうことなのね」
「そう、それとだけれど」
「それと?」
「もっと他に回ろう」
 こう言うのだった。
「神社の他の場所もね」
「そうね、それじゃあね」
「私もここに来たのははじめてだけれど」
 それでもだというのだ。
「凄い場所が多いというかね」
「この神社自体がそうよね」
「そう、見たいから」
 景子は今は主観から琴乃に話した。
「だからね」
「それじゃあ色々と他にも回ってね」
「そうしよう。廊下とかもね」
 神社のそこもだというのだ。
「回ってみよう」
「そうね、じゃあ」
「この神社の廊下だけれど」
 景子はこんな話もした。
「平清盛が参拝している時にお魚が入って来てね」
「あっ、それ聞いたことがあるわ」
「そうでしょ、それが出世魚でね」
「それを食べたよね、清盛さんは」
「皆でね」
 一人ではなく、というのだ。
「平家一門でね」
「それで平家は出家したのよね」
「そうなの」
「何かそういうお話聞いてたら清盛さんっていい人だったのね」
「そうらしいわ」
 里香が清盛のことについて言って来た。
「実はね」
「物語とかじゃ悪役だったけれど」
「平家物語とかよね」
「そういうお話じゃ悪役よね」
「ええ、それはね」 
 里香もその通りだと答える。
「平家物語だと最後地獄に落ちるし」
「実際そこまで悪い人だったの?」
「ううん、それを言ったらね」
 どうかとだ、里香は五人でその廊下に向かいながら琴乃に話す。
「頼朝さんもっと悪いから。法皇様だって」
「後白河法皇ね」
「あの方はかなり陰謀を働いておられたから」 
 天下の大天狗とさえ呼ばれていた、お世辞にも静かな方ではなかった。
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