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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-32女戦士
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「貴様らごときに、このライアンを、抑えられると思うな!」

 言葉と共に、戦士を取り押さえようとしていたふたりの兵士が、吹き飛ぶ。
 吹き飛んだ勢いで壁に叩き付けられた兵士たちは、意識を失う。

 有り得ない勢いで吹っ飛んだ兵士と、それを為した女戦士を前に、意表を突かれて呆然としたマーニャが、呟く。

「……ライアンてのは、……女か?なんつう、馬鹿力だよ……。女で、かよ……」
「あれ?言ってなかったっけ?女戦士だって」
「聞いてねえ」
「どちらでもいいだろう。ライアン殿!」

 面識のあるアリーナが、女戦士に声をかける。
 女戦士が、顔を向ける。

貴方(あなた)は、確か……」
「サントハイムのアリーナだ。久しいな」
「サントハイムの、王子殿下、ですね。何故、このようなところに」
「俺の話は、後だ。ユウ」

 声と共に顔を向けるアリーナにつられ、少女に視線を向けた女戦士の顔が、驚愕と歓喜に彩られる。

貴女(あなた)は……!その姿、出で立ち!(まさ)しく、お告げ所のお告げ通り!貴女を、ずっと、探していました……!」

 少女が、答える。

「ライアン、さん。無事で、よかった。でも、今は。のんびり、してられないのよね?」

 女戦士が、ライアンが、はっとする。

「そうです。貴女を探してこの大陸に参りましたが、この城に巣食う邪悪の手の者のことを聞き。貴女が()られれば、来られるかも知れず、居られねば、代わって打ち倒すのが、貴女を守ろうとする者の務めであろうと。そう思い、この城までやって来たのです。ここに居られるということは、貴女方も」
「うん。ライアンさんに、会いに。それと、ここの魔物を倒しに。そのために、きたの。」
「そうですか。貴女は見たところ、まだ幼いですが。……戦われるのですか?」

 少女の瞳をじっと見つめ、ライアンが問いかける。

「うん。わたしも、戦う、理由があるの。」

 少女が答える間も、少女から目を離さなかったライアンが、頷く。

「わかりました。ならば、貴女の背中は、私が守ります。降りかかる火の粉は払い、往く道を遮るものは、斬り捨てましょう。貴女を害する何者からも、私が貴女を、守ります」

 静かな熱意を込めて語るライアンに、戸惑う少女。

「……それ、は……」

 ライアンが少女から視線を逸らし、目の前の壁に向ける。

「……失礼。まずは、目の前の敵です。この先に、奴等はいるはずです。共に、打ち倒しましょう」
「……うん。悪い魔物は、倒さないとね」


 吹き飛ばす前に兵士たちが探っていた辺りの壁を探り、仕掛けを探すライアンを見やり、マーニャが呟く。

「……なんつー、()()だよ。女だよな?アレ」
「そうだ
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