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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-32女戦士
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を見るホイミン。

「大丈夫。ライアンさんは、強いのよね?わたしも、少しは、強くなったし。みんなも、強い。わたしたちと、ライアンさんを、信じて。」
「……」
「約束する。ぜったいに、あなたとライアンさんを、また、会わせる。」
「ユウちゃん……。……気を、つけてね」
「うん」

 わかったとは口に出来ないまでも、なんとか承諾の意を示したホイミンに、少女が微笑む。



 準備を整えてあった馬車を連れ、一行は、女戦士と、兄弟の仇が待つはずの、キングレオの城を目指して急ぐ。


 城の近くの、目立たない場所に馬車を停め、城に向かう四人に、馬車に残る仲間が声をかける。

「馬車は、いつでも出せるように、しておくから。危なくなったら、すぐに逃げてくるのよ。」
「逃げ帰るようなことにゃ、ならねえと思うがな。魔物に乗っ取られた城なんだ、親玉さえ倒しゃ、無罪放免だろ」
「そう、上手く行けば良いがの。呉々も、油断するで無いぞ」
「もちろんです。ライアンさんのこともそうですが、私たちの宿願でもありますから。気合いは入っても、気を抜くことなどありません」
「アリーナ様、皆さん。気を付けてくださいね」
「ああ。俺もユウもいないから、お前たちも、敵の気配には気を付けろ」
「ユウちゃん……」
「大丈夫。行ってくるね」


 キングレオの城は、以前に兄弟が侵入したときと同様、固く扉を閉ざし、衛兵が正面玄関前に立ちはだかって、周囲を威圧していた。

 威圧の割に警備が甘いのも同様で、兄弟が以前に侵入した裏口には相変わらず人気(ひとけ)が無く、咎められることも無く、魔法の鍵で扉を開けて、侵入に成功する。

「これを、……引きちぎってたんだよなあ、オーリンの奴は」
「蹴破るのはともかく、引きちぎるのは、俺にも難しそうだな。世界は、広いな」
「どちらも、しなくていいですから」


 城内に入ったところで、アリーナが問う。

「どこに向かえばいいんだ?玉座なら、あっちか?」
「玉座は隠し部屋にあって、普通の城とは構造が違うんです。こちらですね」

 ミネアが指し示した方向から、人の騒ぐ声が聞こえる。

「こら!大人しくしないか!」
「神妙に縛に就き、王の沙汰を待て!」
「何が、王か!人を(あやつ)(しいた)げる悪しき心の魔物を、貴様らは王と呼ぶのか!」

 男たちの怒声に続く、女性としてはやや低めの、凛とした声。

 四人が、素早く顔を見合わせる。

「ライアン殿だ!」
「行きましょう!」
「いいタイミングだったな!」
「あっちね!」

 声がしたほうに向かい、一斉に走り出す四人。

 桃色の鎧の女戦士と兵士が揉み合う場に駆け寄ろうとしたところで、女戦士が声を張り上げる。


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