専用機
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そうつぶやくとともに5限終了を告げるチャイムが鳴り響いた。そして響の放課後、織斑先生による補修という名の地獄が確定した。
第一アリーナのハンガーにはむっすりとした顔の響と、その響を腕を組みながら椅子に座る千冬の姿があった。
千冬は溜息混じりに響に聞いた。
「なるほど……大体の状況は理解した。またあの馬鹿は面倒なことをしてくれる」
あの後響は千冬に何とか弁解したのだ。屋上で束とであったことに加え、その束に専用機を渡されたこと。
千冬は再度大きくため息をつくと奥の方で端末を操作している真耶に目を向けた。
「山田先生何かわかりましたか?」
「はい。一応大体のところは……ただ殆ど表面上のことしかわかりませんでしたけど」
真耶は多少落ち込んだ様子でモニタを表示させた。そこに表示されていたのは、先ほど響が渡された夜天月の大雑把なデータが表示されていた。
しかしその中に肝心な夜天月の外見が表示されていなかった。表示されているのは名前と大まかな総重量などそのくらいだった。しかしその中の一角に使用者という欄には鳴雨響と確かに登録されていた。
その表記を見た響はげんなりとする。その響を無視し千冬は真耶に聞いた。
「山田先生これだけですか?このISの外見などは?」
「残念ながら解析不能でした。おそらく鳴雨さんが乗らないと殆どのことは分からずじまいでしょうね」
それを聞いた千冬は未だにげんなりムードな響に声をかける。
「鳴雨。貴様このISに乗れ」
「は?」
疑問符を浮かべる響の指に千冬は強引に夜天月をはめ込む。
「あー!!?何してくれてんですか織斑先生!?」
「仕方あるまい。貴様がはめなければそのISの情報もまともに引き出せん。……なによりこのISは貴様にしか反応しないようにプログラムされている」
「……チッ。わかりましたよ」
ムスッとした表情ながらも響はISスーツに着替えるためにその場を後にした。
響が消えたすぐ後、真耶が千冬に声をかける。
「織斑先生?あのプログラムっていうの本当ですか?」
「やはり気付いていたか。いやあれは殆ど私の勘だ、あの馬鹿……束の考えることなど大まかなことは分かる。あいつはおそらく何が何でも鳴雨に専用機を持たせたいのだろうさ」
嘆息混じりに言う千冬の顔は完全に呆れ顔だった。
「やっぱりこのISスーツって私嫌いなんすけど」
紺色をベースとし、ところどころに白の配色がされたISスーツを着込んだ響は溜息を漏らす。
「文句を言うな。それよりさっさとはじめろ」
「へいへい」
渋々といった様子で頷いた響は右手の中指にはめた夜天月に意識を集中す
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