専用機
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んだ。その代わりに聞こえてきたのは悲鳴のような声だった。
「にゃああああああ!?痛い痛い痛い!!すっごく痛いんだけど!?ちーちゃんよりも痛いなにこれ!?」
女性の頭には響の指が深々と食い込んでいた。所謂アイアンクローである。
「……なんなんですかねーお前はぁ。人が痛がってるときにゲラゲラ爆笑しやがって……うるせぇったらありゃしねー」
「う、うん!ごめんそれは謝るから早く離してくれないかなー!?早くしないと束さんの大事な脳が!脳がーーー!!!?」
あまりに喚き散らしたので響はため息をつきながら女性を解放した。しばらく掴まれていたところをさすった後女性は目に涙を溜めながら、響を見つめた。
「いやー……まさかあんなに痛いとは思わなかったなぁ……。ちーちゃんよりも痛いなんて思わなかったし」
若干震え声で言う女性を一瞥しながら響は聞いた。
「それで?アンタは誰なんだよ。いきなり出てきやがって……」
「お!知りたい?私の正体知りたい!?」
先ほどとは打って変り嬉しそうに笑みを浮かべながら女性はにじり寄ってくるが、響が右手を構えるとあたふたとし始める。
「わー!?まったまった!!言うからちゃんというから!」
「早くしろ……いい加減我慢ならねーからよ」
すると女性は腕を腰にあてドヤ顔で言い放った。
「私の正体は!なーんとあの篠ノ之束さんでーす!どうどう!?驚いた!?」
「ふーん。……で?」
「え?」
響のあまりに淡白な反応に束自身も驚いてしまったようだ。しばしの沈黙の後束が響に聞いた。
「なんとも思わないの?目の前にいるのはISを開発した張本人なんだよ?」
「まぁそうだな。でもそれがどうした?別に私は誰がIS作ったかなんて興味ないし」
「ははぁ……なるほどー。そういうところも他のやつらとは違うねー」
感心したような声を上げる束に響は疑問を投げかける。
「んで、その篠ノ之束さんがIS学園になんの御用で?織斑先生に用でもあんの?」
響の問いに束は腕を組み考える素振りを見せながら響に告げた。
「んー……確かにちーちゃんやいっくん、それに箒ちゃんとも会いたいけどねー。今日束さんが用があるのは君なんだよねーびっきー」
「私?てかちょっと待て……びっきーってなんだおい」
「君のあだ名だよーん。響だからびっきー。かわいいでしょ?」
屈託のない笑みを向けられ響はただただ嘆息するばかりだった。
……なんつーかコイツ本当にめんどくせー。
あまりのことに眉間を押さえる響に対し、束は気にすることなくポケットをまさぐり始める。そして取り出したのは藍色の指輪だった。
「これをびっきーに渡しに来たんだよー
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