専用機
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楯無との勝負からしばらく経ち響は昼休み、屋上で1人寝転がっていた。気候もだんだんと暖かくなりまさに絶好の昼寝日和となり、響は満足そうに笑みを浮かべていた。
またセシリアも一夏との戦いの翌日、一夏に自分の非をわびていた。一夏も気にした風はなく大きなことにはならなかった。
だが響には一つ気がかりなことがあった。楯無との戦いの後響は一度も生徒会に呼ばれていないのだ。そのことを生徒会役員である本音に聞いてみても、
「そのうちよばれるよー。だから楽しみに待っててー」
と返されるだけだったのだ。
「……なーんか嫌な感じしかしねー」
虚空を見上げながら嘆息交じりにつぶやく響だが、やがて考えるのも馬鹿らしくなったのか瞳を閉じいつものように昼寝に入った。
「くぁ〜……。いやーよく寝た」
昼寝に入ってから十数分後響は伸びをしながら目を覚ました。時計を見ると5限が始まるか否かの時間帯である。それを確認した響はため息をつきながらも、授業に向かうために腰を上げた。
なぜ今回はちゃんと授業に行こうとしているかというと、先日千冬に説得という名の脅しをかけられたからだ。その内容とは、
「私の授業をサボったら放課後みっちりとしごいてやる」
だそうだ。
響自身楯無との戦闘まで千冬に鍛えてもらったので、そのキツさは嫌というほど身にしみているので千冬の授業だけはちゃんと出るようにしているのだ。
多少げんなりとしながら校舎に入ろうとしたところで響は屋上の一角を見つめる。そこにあったのはなんと。
巨大な人参だった。
その人参を見ると決して生ではない、なんと言うか機械的な光沢があるのだ。響はそれをしばらく見つめた後、にこやかに言い放つ。
「うん。私は何も見ていない。さーて早く行かないと織斑先生にどやされる」
そそくさと立ち去ろうとドアノブに手をかけたときだった。響がいきなり後ろに倒れたのだ。まるで誰かに手を引かれたかのように。
あまりに急なことで受身が取れなかったのか、響は頭を思いっきり屋上の床に打ち付けた。鈍い音が鳴り、あまりの痛さにのたうち回る響の隣に1人の女性が立っていた。
「もー。明らかに違和感に気付いてたのに触れないからそういうことになるんだよー?そこんところ理解してるのかなーびっきーは?」
のたうち回る響を気にもしないような声で言う女性は快活そうな笑みを浮かべている。
その女性の外見として一番目を引くのはその豊満な胸だろう。女性が動くたびにたゆんたゆんと弾んでいる。服装はメイド服のようでありながらどこか違う服装だった。頭には機械的な兎耳がピコピコと動いている。
女性は響を見ながら爆笑していたが不意にその笑い声がや
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