暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
武装無能力者集団
Trick28_だから殺す
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時だけしか使わないように氏神から言われた。
御坂達に話すと面倒なことになりそうだから適当に嘘を言った。

「そっか・・・・」

「信乃さん大丈夫ですの?」

「木刀を持つから問題ありません。素手でも新人風紀委員の武力指導が
 出来る程度には自信がありますよ

 それに、この前の常盤台はA・Tなしで解決したのを忘れたんですか?
 誰かさんが気絶している間に」

「う”!!」

白井は短く呻いた後に目線を横へと逃がした。

「あ、そうだ! 信乃に―、信乃さん糸持っている?」

「裁縫セットに糸が入ってるはずですが?」

支部に常備されている裁縫セットを信乃は棚から取ってテーブルの上に置いた。

「はい、どうぞ」

「いや、信乃さんが持ち歩いているかどうかを聞いてるの」

「? いえ、持ってませんが」

「それじゃ、これ」

御坂から渡されたのは裁縫セットに入っている白糸。
ミシン用のもので30メートル程の糸がプラスチックの筒に巻かれている。

「確か拘束術だっけ? 糸さえあれば出来るでしょ。便利な技よね」

「!?」

信乃は表情には出さなかったが、このことにかなり驚いていた。

もちろん御坂と白井は気付いていない。

「なんですの、その技って?」

「昔、銀行強盗を倒した時に使っていたの。持ち歩いていた携帯裁縫セットの
 糸で倒した犯人の腕を縛ってさ。本当だったら腕力で千切れるはずなのに。

 なんだっけ、きょうげん・・とか言った名前だっけ?」

「・・・・ごめん琴ちゃん。あの技、出来るだけ使いたくないんだ」

「え?」

信乃が一瞬見せた顔、そこには恐怖で怯えるのを我慢しているような、そんな顔だった。

「だからいらない」

信乃は糸を裁縫セットの中へと入れて棚へと戻す。

「さ、一斉摘発は朝早くから行われるみたいですし、固法先輩を待ち伏せするから
 今日は早く帰って寝ましょう」

「あ、待ってよ!!」

誤魔化すように、逃げるように信乃は早々と支部から出て行った。





「ふぁ〜。眠みぃ」

翌日の早朝。

ビックスパイダーのアジトの入り口で一人の男があくびをした。

アジトの見張り役として立っていた男だが、近づいてくる赤髪の男に気付かない。
見張り役を怠ったために、眠気と一緒に自分自身が吹き飛ぶことになった。
いや、眠気ではなく自分の意識が吹っ飛ぶことになった。


「ぐぁ!!」

ビックスパイダーのアジトのドアが見張りの男と一緒に吹き飛んだ。

朝の光を背に立っている男が一人。

早朝にも関わらずビックスパイダーのメンバー全員がそこにいた。

「朝っぱらから忙しそうだな・・
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