少女の罪
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二人共あたしを引き取る事を拒絶していたんだ。別にこの二人に愛されてる実感は無かったけどこの有様は何なのだろう?と嫌気が差した。結局は浮気をしていた父親の方ではなく母親の方に引き取られた。
そして離婚した後あたしは引っ越す事になる。
何故なら離婚したとなると”世間体が悪い”らしい。そんな下らない理由であたしと美咲お姉ちゃんは会うことが出来なくなった。
その時、都合のいい部屋があったことと父親から渡された慰謝料と母親の希望で都会に引っ越す事になった。
来るはずの幸せなんてなかったんだ、あたしにあったのは前よりも酷い、美咲お姉ちゃんとも会えない日々だった。その悲しみから生まれた怒りは父親でもなく母親でもなく、峰岸という浮気相手だった。
あの女がいなければ美咲お姉ちゃんと会えなくなることはなかったと、その時のあたしは本気で思っていた。
そして離婚から引っ越す間に探偵さんから聞いた家に何度も行き、その都度その女を責め続け、恨んだまま、遠い都会に引っ越した。
あたしは自分が引き起こした事を他人のせいにして、そしてその人は、危うく自殺するところだった。
なんて………どうしたら受け入れられるの?
あたしは、目の前の振り下ろされるナイフを虚ろに眺めた。
そして寸前で両手をかざす。
ブチィィ
ナイフはあたしの両手を縛っていたツタを深く切り裂き、止まった。
そう、そんな未来が見えた。
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