少女の罪
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「そうだよ、僕は君のしたことが許せないんだ」
二年前にお前のしたことが。
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それが書いて在ったのは四冊目のノートだった。
その内容は僕のことがあの男に知られてしまったという事だ。
理由は不明だけどそれはとても状況が悪いものだったのだ。それは夫のほうより先に妻のほうに浮気と同時に僕がいることまで知られてしまった。おかげで夫は浮気と同時に自分の知らない子供の事を責められて逆上し、二人の間に決定的な亀裂が生まれてしまった。
そして離婚するのも当たり前だった。それならいい、別に僕には何の関係も無い事だから、その夫も僕の母さんを責める事はしなかった。
そう、その”男”は
問題は、その後僕の母さんの元に訪れた一人の少女………杵島一美だった。
そいつは両親が離婚した原因を僕の母さんだと思い込み、僕の母さんに……何度も……僕の母さんが自殺を決意しかけるまで”責め続けた”んだ。ノートには一部、その言葉が書かれていて何度も母さんは自分の事を責め、何度もナイフを手にしていた。
五冊目のノートには杵島一美とその両親に対する懺悔の言葉で埋められていた。
僕は……絶対に許せなかった……母さんにした仕打ちを……その少女を……
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「……分かるか?一人の子供がただ気晴らしのために悪く無い人を罵り、心が壊れかけるところまで追い詰められた人の想いが…」
僕の話をただコイツは俯いて涙を流しながら聞いていた。どうやらその時の事を思い出しているのか、それとも僕にこれから受ける仕打ちに対して怯えているのか。
「……ごめ……ん………なさいっ………ゆる………し…て…………」
なんだよそれ、何だよ…ふざけんなよ……そんな、そんな……
「そんな…勝手な………勝手なことをっっっっ言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
絶対に許すかよ!
僕は開いたナイフを両手で持ち、振り下ろした。
◆◇◆◇◆一美◇◆◇◆◇
あたしの両親は一度離婚している、理由は聞かされていない。
当然だと思う”父親が浮気していて、しかも子供まで居たなんて小学生の娘に言えるはずが無い”から
二年前までのあたしの家は壊れていた。
家事をしない母親に家にまともに帰ってこない父親、あたしは二人がとても嫌いだった。いやそんなもんじゃない嫌悪していた。よくニュースでやってるDVとかは無かったけど、だからといって幸せとは程遠い家庭だった。ご飯を食べる時も皆別々で、三人揃うことなんてまるで思い出せないくらい家族全員が関わる事を拒絶していた。もともと両親はビジネス上の都合とやらで結婚したら
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