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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第四十三章 秘めし決意《3》
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 思い、止めず足を運び続ける。
「空はこんなにも穏やかなのに、人の世というものは何時も騒がしいですね」
 青い空を見て言う。
「ふん、人の世が穏やかになったのならば、それこそ本当の終焉だな」
「おっかいないこと言わないでくださいよ」
 二人は遅れて、先行していった仲間達と合流する。
 皆は二人と他に遅れてきた者を待ち、三年一組が中心となって円を組んだ。
 三年一組以外の者は外側で待機しており、彼らの話し合いを眺めている。
 皆が揃ったのを確認し、口を開いたのはルヴォルフだ。
 土煙によって汚れた制服兼戦闘服を風になびかせ、獣毛が生えている口を動かす。
「よし、皆揃ったところで話しがある。とうとうここまで来られたわけだが、ここで幾つか問題がある」
『南と東しか結界に辿り着けなかったことと、ここに来るまでの戦闘で皆が予想以上に疲れている。それと騎神の登場による戦力の分散。後、強いて上げるなら人手不足……かな?』
 円の中心。
 現れたのは一つの映画目|《モニター》で、映るのはレヴァーシンクだ。
 彼は笑っているものの、日来の周りにはまだ戦闘艦がいるのか、時折大きく風景が揺れている。
 そんななかで平然と立ち、こちらの会話に割って入って来た。
「よく分かっているな。ついでだ、何かいい案はないか? なければ予定通り、二方向だけでも自壊のための攻撃を執り行うが」
「その場合、時間ってどれくらいきるのかなあ? 教えてくんない?」
 テイルの問いにレヴァーシンクは答える。
『ダメージを蓄積出来たら約五分、蓄積出来ず結界自体に自己回復能力があるのなら自壊はかなり厳しい。多分今の状況では壊せないだろうね』
「オレの竜口砲|《ドラゴンブレス》では駄目なのか」
『トオキダニのは対戦闘艦用でもあるから乱発は避けてもらいたいね。ニチアの方で強化系加護を掛けさせてもらうから、一応それで頑張ってみてよ』
『お札がいーち枚、にー枚、さーん枚……! ぐふふふ……』
「ちょ! まさかの札ですか!」
 映ってはいないが、聞こえるニチアの声にロロアが反応した。
 てっきり硬貨だと思っていたが、まさかの札だ。
 ニチアはレヴァーシンクを押して退場させ、眼鏡の赤いフレームに人差し指を当て映り込む。
『安心して、今回はタダだから』
「え? ほ、本当ですか」
『勿論よ。日来の未来が掛かってるんだもの、さすがの私だってそこまで酷くないわ』
「そうですよね。はあ、良かった……」
『経費をほんの少し頂くだけだから』
「やっぱり最悪! 最悪ですよ!」
 指差し、ロロアは大声で言った。
 言われた本人は頬を膨らませて、ぶー、と一言。
『タダで加護付けるんだからいいじゃない。うるさいわね、もう』
「なんで怒ってるんですか……」
 その態度を見て
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