初めての都市
初めての友達
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イシェンは目に涙を溜めながら、すぶりをしている武芸者たちの雰囲気に飲まれていた。
味方いねええええええええええ!? とシキは絶叫する。
幸いにも、他の子供たちが交叉騎士団の特訓風景に夢中になっていた。
「シッキー! 私は見直したぞ!! 仕事とか言ってたが、こういうことなんだな」
「い、いや、その話を」
「いいねえ、どうやって捏造するか。今月のスクープはこれで決定!」
「あ、あうあうあうあうあう」
何故かミィフィのノリが苦手なシキは、苦笑いをしながらなんとか記事にしないよう努力していた。
子供の記事と言い切れればいいのだが、子供が原因で大事になったことは数が知れない。
最悪、シキの存在が露呈する可能性がある。
ミィフィたちには、既に武門に入っていて訓練を特別に交叉騎士団の訓練場ですると言える範囲で言っていたので、安心していたらこれである。
今も冷や汗を垂らしているバンクルトを睨みつつ、シキは息を吸って話出す。
「すまん、本当の事は話すから誰にも言わないでくれよ?」
「えーっ、せっかく記事が出せると思ったのに」
シキの真剣な雰囲気を察したのはナルキだった。
「……話したらマズイんだな?」
「あぁ、ちょっと問題がある」
「み、ミィちゃん。やめとこ? し、シッキーにも事情あるみたいだし」
声を震わせながら言うメイシェンの言葉に、シキは少し驚く。
気弱で、ミィフィとナルキに守られていないとダメかと思っていたが、今のように自分の意見を言えるとは思っていなかったからだ。
ミィフィはため息をつきながら、鼻先から離れて、ペタリと床に座る。
「わかったよー、ナッキ」
「ありがとうな、ナルキ、ミィフィ、メイシェン」
「ナッキでいいぞ。あと、二人はミィとメイでいい」
「う、うん。だってこれからウチに泊まるし、な、仲良く、な、なりたいし」
後半が尻つぼみになっていたが、シキには聞こえていたので、微笑みながらこう答えた。
「あんがと、メイ、ミィ、ナッキ」
「じゃあ、シッキーは武者修行の一環で?」
「あぁ、と言ってもまだ始めたばっかだからな、面白い話とかできないぞ?」
シキは、ホントと嘘を混ぜながらなぜ交叉騎士団の訓練相手をしているのか言った。
それを信じきったメイシェンたちは納得した様子でうなづく。
(昨日、武者修行で旅してるとか言っておいてよかった)
嘘でも言うもんだ、と学習した瞬間であった。
「しかし、凄いな。交叉騎士団といえば、ヨルテムの最高戦力なのに」
「まだまだだよ。今だって、バンクルトさんに負けちゃってさ」
曲がりにも最高戦力に、手加減して簡単に勝ちました☆ なんて言えば、ミィフィに記事とされるのは目に見えている。だからこそ、シキは嘘をついた。
活剄をしながら、
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