初めての都市
初めての友達
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て猿真似しか出来ない」
「ほぉ? さて、次はワシ一人でやらせてもらおうかのッ!!」
突然バンクルトの正拳突きが、シキに襲いかかる。
だが、シキは身体を横に倒しそれを避ける。
「あぶなっ、不意打ちとか卑怯だろ」
「このぐらいはハンデじゃ。……本気で行くぞ」
シキは地面を蹴って、距離を開ける。
バンクルトは追わずに薙刀の錬金鋼を復元した。
「ゆくぞ、シキくん」
シキは刀を復元すると残像を残しながら動く。
サイハーデン刀争術、水鏡渡り。
旋剄を超えた速度で近づいてくるシキを、バンクルトは勘で迎撃する。
薙刀を振るうとバンクルトの目の前で火花が散った。
「さっすがジイさん。もうちょい速くするぞ」
シキの姿が消えたり現れたりしているようにバンクルトの目には見えた。殺剄と疾影の繰り返しで感覚を騙しているのだろう。
外で見ている武芸者でも、シキの動きを追える者はいない。
バンクルトはむやみに動かず、時々接近するシキの攻撃をなんとか受け流しながらその技量に舌を巻いていた。
どこか、剄量だけ馬鹿げている子供だと侮っていたが、身体の動かし方から武器の扱いまで一流だった。
こりゃ、ホンマもんの化け物じゃな、とバンクルトは自身の負けを認めた。
だが、ただ負けるのは自分でも納得できない。一太刀でも浴びせなければ部下たちにも示しがつかない。
そう決心したバンクルトは、声に剄を乗せて叫んだ。
「かぁああああああっ!!」
内力系活剄の変化、戦声。
ビリビリと空気が震える。
バンクルトの口から放たれた大音量の音撃は、今も高速で動いていたシキの動きを一瞬だけ止めることに成功していた。
「そこじゃっ!」
バンクルトは手加減抜きの一撃をシキに向けて解き放った。
これで倒せるとは思っていないが、傷の一つでも付けられる……はずだった。
「本物じゃないんだなぁ」
薙刀が当たった瞬間、シキの体が煙のように薄くなり消えた。
バンクルトは振り下ろした薙刀を引き戻し、シキの姿を探した。
シキはすぐに見つかった。それも何人もだ。
「なん……じゃと!?」
活剄衝剄混合変化、千人衝。
およそ十人のシキが、刀を構えながら同時にニヤリと笑いながらバンクルトに言った。全方向からとんでもない速さで迫ってきているので、バンクルトに成すすべがなかった。
「終わりだ、ジイさん」
そして、十人のシキが同時にバンクルトの身体に刀の柄を打つ。
サイハーデン刀争術、波紋打ち。
軽い衝撃を与える剄技で波紋抜きの簡易版だがそれが十も重なって襲いかかれば立派な殺人技になるので手加減を加える。
「ガッ!?」
手加減を加えたと言っても、全身に受けた衝撃に耐え切れず、バンクルトは息を吐き出して床に倒れこむ。
シ
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