初めての都市
初めての友達
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。
もうちょいまともな人格はいないのか? というか、俺ってそんなに好戦的なのかなぁと思った。
たっぷりお茶が冷めるまで悩んだシキはポンと手のひらを叩いた。
「とりあえず、生きてることだけ伝えよう」
脳内では主人格シキがガッツポーズを取りながら勝利していた。
「ふっ」
円を描くように衝剄を放ち、シキは向かってくる武芸者たちをなぎ払う。
時々、衝剄をいなそうとする者もいるが、込められた剄に圧倒され吹き飛ばされた。
「実際の汚染獣戦じゃ、百回死んでるぞ?」
シキはワザと煽りながら、相手の戦意を上げる。
内心、ため息をつきながらシキはただ武芸者たちを衝剄で圧倒する。ベテランも混じっているので、時々懐に潜り込まれるが体術でいなす。
サヴァリスが直々に稽古(殺し合いとも言う)を、カナリスから気配の読み取りを、ルイメイからは重心の心得と天剣の面々から叩き込まれた技術だ。並みの武芸者では五秒も経たずに投げられる。
「シキくん、時間じゃ」
「あぁ、レストレーション06」
バンクルトの声でシキは錬金鋼を復元する。
あまりにもシキが強すぎて錬金鋼を使わないので、一定時間が過ぎたら錬金鋼を使うというルールが決められたときは、シキは呆れたため息を付いた。
だから、シキは練度の低い銃を使うことにした。
「乱れ撃ちってな」
白と黒の双銃から剄弾が交互に発射され、的確に急所を捉えられる。
『いいか、くそガキ? 銃はいかに相手の急所を撃ち貫くかで成否が決まる。特にクソ汚染獣とかな』
バーメリンの言葉を思い出しながら、シキは黒鋼で作られた銃から小型の刃物を展開して剣の一撃を受け止めて、軽金で腹に極限まで手加減した剄弾を撃った。
本来なら銃は一定の剄量がなければ撃てない仕様になっているので、一定の威力しか放てないという手加減があるのだが、エルミの改造により好きな威力を撃てるようにされた。
これにより制御が面倒になったが、手加減にはもってこいだ。
『ただ撃ちまくればいいってもんじゃない。冷静に対処し、正確に撃って、ぶっ殺す。わかったか? くそガキ』
天剣の一撃をモロに食らって、ボロボロになった際、バーメリンに言われた台詞だ。
口が悪いが、面倒見が良かった師匠のことを思い出してシキは苦笑する。今、持っている銃もバーメリンが作ってくれたものだ。
『ぶっ壊したら殺す』
そう言われたのに、次の日に来た汚染獣戦で調子乗って撃ちまくって壊したときは地獄を見た。文字通り鬼がいた、正直リーリンに説教される方が百倍マシだった。その日から、銃だけは壊さないと誓った。
「……」
全員が床に倒れるのに対して時間がかからなかった。
全身から力抜き、錬金鋼を剣帯に収める。
「惚れ惚れするのぉ」
「まだまださ、俺なん
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