初めての都市
初めての友達
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すぐ飛び化け物に大穴を――――
「ぎゃふん!?」
そんな古いリアクションの声を出しながら、シキは打った頭を抱えながら痛みを堪える。
武芸者であるシキだが、痛いものは痛いのだ。
数分間、ゴロゴロと床にのたうち回ったシキはなんとか起き上がる。
「う、うぅ、ベッドから落ちるなんて何年ぶりだよ」
頭を摩りながら、シキはため息をついて先程まで見ていた夢を思い出す。
何やらとんでもないことになっていた気がするのだが、よく思い出せない。まぁ、夢だしと思ったシキはベッドに入って寝直そうとするが、完全に目が覚めてしまい寝る気は起きなかった。
「はぁ、着替えるか」
シキはため息をつきながら、着ていたパジャマを脱ぎ、用意していた服を手に取る。
エルミが作った戦闘服ではなく、普通の普段着だ。
何故かエルミが持っていたシキの服で、昨日事情を説明した際に持ってきたものだ。
あくびをしながら着替えを済ませ、最後に机の上に置いてある剣帯を腰に付ける。別に着けなくてもいいのだが、着けてないと落ち着かないのは武芸者としての性か、それとも単にシキの精神安定剤みたいな役目なのか、それはシキ本人にもわからない。
準備が完了したシキは部屋から出て、リビングに向かった。
「ありゃ?」
リビングには誰もいなかった。
どうしたんだろうと思ったシキだったが、リビングに置かれている壁時計を見て納得した。
「五時半、まだ寝てるよな」
自室の時計を見れば良かったと思うシキ。まだ生活習慣がグレンダンにいた頃のままなのか、とも思ったが何年も続けてきた習慣は簡単に消えるものではないと判断し諦めた。
一気に手持ち無沙汰になり、シキは皆が起き出すまで何をしようか悩んだ。
まずは浮かんだのは素振りだが、この時間帯に素振りをするのは迷惑と考えて自制する。都市外縁部でやればいいじゃないかと思うかもしれないが、ここはグレンダンではなくヨルテムだ。同じように訓練したら目立つ可能性がある。
そう考えるとグレンダンはいい修行場所だったんだなぁ、と改めて認識するシキだった。時々、サヴァリスなどが強襲してくるが。
ソファに座り、シキは錬金鋼をテーブルに置く。
軽い整備をしようと思ったのだ。本気で整備するならヨルテムのダイトメカニックかエルミに見せなくてはいけないのだが、時間を潰すのにはちょうどいいと思うシキであった。
復元をしないように、棒状の錬金鋼を見ていく。
復元する際の剄で起こさないよう配慮したのと、復元して床を傷つけたくなかったからだ。
カチャカチャと音を立てながら、シキは錬金鋼を見る。
剣は白銀、刀は鋼鉄、鋼糸は青色、細剣は碧色、手甲&甲掛は黒鋼に紅玉、銃は黒
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