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少年は旅行をするようです
少年は真剣で恋するようです 壱
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「ハハハッ、私にそんな事を言った奴は初めてだ!――――散れ。」


瞬間、百代の闘気が膨れ上がる。

と同時に、隣に立つ鉄心ですら動けない速度でねーさんに近づき、拳を放つ。


「『禁じ手 富士砕き』!!」
ゴッガァァァァァァァアアアアアアアア!!
「いかん!!」


土煙が舞い、グラウンドには亀裂が走る。あーあー、整備大変だなぁ〜。


「ねーさん、もう少し手加減してよぉ〜。」

「ケホ、ケホ……。そうね、少し見誤ったわ。煙いわ。」

「なっ、んじゃと……!?」


煙が晴れ・・・そこに立っていたのは、拳を放った状態で止まった百代と、

槍を地面に突き刺し片手で百代の拳を掴みつつ、反対の手で顔の前に拳を寸止めで放っている

ねーさん。グラウンドに集まった全員が、唖然としている。


「これ、入れないとダメなのかしら?」

「お、おお。そうじゃの。一本、勝者、織原ペア!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」」」」


グラウンドのあちこちから、『嘘だ』とか『マジで!?』だの声が上がる。

見ると、泣きそうな子まで居る。ん〜・・・まさか、ここまで絶対支配者的とは〜。


「あはは〜。これから大変そうだねぇ、ねーさん〜。」

「…………恨むわよ、シュウ。」


逆恨み禁止〜と言って、興奮冷めやらぬ生徒達と一緒に教室へ戻る。

ふとグラウンドの方を見ると、百代が拳を止められたままの恰好で止まっていた。

・・・まぁ、いいか〜。負けを早めに知って、成長しなさい若者よ〜。

Side out



Side 大和

ガチャッ
「あれ、姉さん。来てたの?」

「……………………。(ボー)」


秘密基地に来ると、姉さんが死んでいた。もしかしなくても、今日の決闘で負けた事が原因だろう。

俺としては、姉さんも負けるのか、と安心した所すらあるんだけど。


「(漫画でも読みつつ、回復待つか。)」
ペラッ

………
……


「ふぅ……。」


姉さんの回復を待っていたら、いつの間にか夕食を食いっぱぐれてしまっていた。

そういえば、今日は珍しく誰も来なかったな。


「…………………大和。」

「何?姉さん。」


そろそろ帰ろうかと思ったら姉さんが生き返った。一瞬間があったけど、姉さんは話し始めた。


「………私、負けたよな?」

「負けたねぇ。ハッキリと。」

「ハッキリ言うなぁ。生意気だぞ、弟の分際で!」


自嘲気味に笑うと、勢いよく立ちあがる。ペシンと俺の頭を叩き、そのまま扉へ向かう。


「………………………い。」


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