暁 〜小説投稿サイト〜
生還者†無双
完全武装
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お守りなんて洒落にもならん
そんな顔するなよ…
まさか俺が正面から突撃するとでも思ってるのか?
筋肉馬鹿じゃあるまいしそんな事やらんぞ

「心配するな、煙りが上がったら合図だ 頼りにしてるぜ?」

愛紗の肩に軽く手を置くと
ダッと駆け出し気配を消す
暁はすっかり日の落ちた荒野に消えた

「桃香様!すぐに戦の準備をっ!」
「ど、どうしたの?愛紗ちゃん?」
「どしたのだ?」
「ご主人様が一人で…賊の砦に向かわれた!」
「「ええー!!!!」」

すでに宿営の準備をしている軍団に
いきなり進軍の号令をかけてもうまくいくはずもなく
陣内は混乱を極めた



あれが砦か…
なかなかデカイな
双眼鏡で辺りを伺う
規模は本当に1万位だろう
砦の回りの焚き火の数が物語る
さて中々骨が折れるぜ…
立ち上がると砦の外壁に向けて走り出す

「たっく…何で俺達が見張りなんだよ」
「そうだそうだ…まだ飯だって食ってねぇのに」
「他の奴等は今頃…おい!聞いてんのか?」
「が…がっぺ!」

隣の男が立ちながら痙攣している
暗くて良く見えない…
何が起きているんだ…?
痙攣する男の喉にはナイフが突き刺さり
口から血が溢れている

「お…おい」
「ぺ!ぺ!ぺ!」
「相棒は眠いとさ…お前もそうだろ?」
「なんだっ手前ぇぎっ!」
「寝言は寝てから言いな」

顔を鷲掴むと凄まじい勢いで捻る
ゴキィと低い音がした
難なく首の骨をへし折り
死体を茂みに投げ捨てる
やれやれ…歯応えの無ぇ野郎だぜ
背伸びをして首を回す
さてこの高い壁を登る訳だが…
準備運動しないと疲れが後日残るからな
俺も年をくったもんだ
外壁にワイヤーアンカーを撃ち込み登っていく
本当に便利な物も入っていたぜ
アームパット内蔵型なんて激レア物に違いない

「よっと」

外壁から砦に侵入すが
そこには誰もいない
いたる所で下品な笑い声が聞こえる
祝勝会でもやっているのだろう
おいおい歩哨も立てずにどんちゃん騒ぎか
お気楽なもんだぜ
まぁ能無しでも数が集まれば
自分が強くなったように感じるものだしな
さて…俺は俺の仕事をやるかね
バックからC4と雷管を取り出す
遠隔作動式で手元のスイッチで爆発する仕掛けだ
柱や外壁…いかに効率的に破壊力が伝わる場所を探して
砦のいたる所に設置していく
元々朽ち果ているような砦だ
木っ端微塵に吹き飛ぶだろうな

「おっし!これで最後か…ん?」

通路の奥から笑い話が聞こえる
どうやらこの砦の玉座らしい部屋の廊下にいるようだ
こんな所まで入っていたのか?
そのわりに誰にも会わなかったぞ
どんだけザルな警備なんだ…
賊の不用心さに呆れながら声の
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