第五十二話 ハイネセン混乱
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え分かれば結構楽しい。アニメもそうだけど歌謡番組とかも十分楽しめる。連続ドラマはちょっとストーリーが分からないけど単発の二時間もの、映画とかサスペンスドラマなら大丈夫だ。僕だけじゃない、司令部の人間は皆見ている。帝国のTVって娯楽が少ないんだよ。面白い番組が無いんだ。
このあいだはハイネセンに潜入した帝国のスパイを追い詰める反乱軍の軍人を主人公にしたスパイドラマが有ったけどドキドキしながら見てしまった。帝国の軍人が格好いいんだ、美男子で頭が良くて抜け目なくて、でも反乱軍の女性と相思相愛になって苦しんでしまう。そんな彼を反乱軍の軍人が執拗に追いかけるんだ。
こっちも格好いいんだ。顔は平凡なんだけど執念っていうか少しずつ少しずつ帝国のスパイを追い詰めて行く。何ていうか演技に迫力が有るんだ。最後は帝国のスパイは入手した情報を帝国へ送ることに成功する、任務達成だ。でも本人は捕まってしまう。取り調べで女性の事を訊かれるんだけど利用しただけだって答えて終わる。その時がすごく良い、無表情なのに手だけはギュッと握られているんだ。見終わった時は皆で良かったなあって言った。本当に良かった。
ここ四、五日ハイネセンのマスコミは大騒ぎだ。地球教が弾圧されその関係者が捕えられている事を大きく報道している。それだけじゃない、反乱軍の政府関係者、軍関係者、警察関係者の中にも取り調べを受けたり自殺した人間がいると報道している。
切っ掛けは頭領の暗殺未遂事件だった。地球教の人間が反乱軍の人間と組んで頭領を暗殺しようとした。暗殺の対象は頭領だけじゃなかったらしい。ローエングラム公、キルヒアイス提督、それに驚いたことにレベロ議長も暗殺の対象者だった。皆驚いている。連中はとにかく帝国軍と反乱軍を混乱させたかったらしい。宇宙の統一なんて受け入れられなかったみたいだ。
帝国だったらこんな情報はなかなか報道されないけど反乱軍って違うんだよ。朝のニュースに昼のニュース、それと夜のニュース、色んな時間帯で報道してくれる。だからTVの前に居るだけで色んなことを知ることが出来るんだ。皆、これは便利だって言ってる。
ファーレンハイト提督に聞いたのだけど頭領が暗殺されそうになった時、提督が傍に居たらしい。でも何が起きたのか一瞬分からなかったそうだ。頭領と歩いていたら男が蹲っていて足元にブラスターが落ちていた。それを見て暗殺未遂事件だって分かったって。
頭領になんで事前にファーレンハイト提督に言わなかったのかって訊いてみた。護衛も居たんだしその方が安全だと思ったんだ。でも頭領はその方が危険だって言った。通路だから隠れる場所が無かったし気付かれたら不必要に怪我人が出るって。知らぬ振りで近づいて撃った方が危険が少ないって。
溜息が出ちゃったよ、冷静なんだもん。頭領って射撃も
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