第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第49話:もっと探せよ!
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(コーミズ西の洞窟)
シンSIDE
驚いた!
自分が実は勇者だったって事より、ウルフさんがリューノちゃんに手を出した事より……
この世で一番驚くべき事実を目の当たりにした!
まさかリュカさんが……あのリュカさんが王様だなんて思いもよらなかった!
リューノちゃんも、我が儘だけどお姫様には見えないし……我が儘だけどね!
リューラさんだって、一方的だけど王女様とは思えない……本当に一方的だけども!
そうなると、リュカさんの娘さんとお付き合いしているウルフさんは、未来の国王陛下なのか?
お家騒動問題とか色々複雑な事があるだろうから、本人にはソッと尋ねてみる。
『もう一人の娘さんにまで手を出したのは、外堀を埋める為の手段だったのですか?』って……
そうしたら『イヤだよ……アイツの後を継いで国王になるなんて!』と、尊敬する師匠で上司で義父の事を指さし、盛大に否定するウルフさん。
コッソリ訪ねたのに台無しだ!
『アイツめちゃくちゃ善政を布いてるんだ! 国民からは絶大な信頼を得て、国家を何十倍にも大きくして……跡を継いでちょっとでも失敗したら、即座に革命が起きて殺されちゃうよ! 実の息子が済し崩し的に継いだのなら、国民も多少は我慢してくれるだろうけど……』
ウルフさんは続けざまに俺達を驚かせる。
あのリュカさんが統治者として善政を布き、剰え国民に支持されているなんて……
でもリューノちゃん・リューラさんの癇癪が怖かった俺は、驚くも本音を口にせず、心の中だけで“そんな訳ねーだろ! あんなお気楽魔神が、国民に好かれてる訳ねーだろ!”って叫びました。
このとき程、自分が小心者で良かったと思った事はありません。
何故ならば、心の絶叫では我慢出来なかったブライさんが、思いの丈を洞窟内に響き渡る大声でブチ撒けてしまったんです。
そうなれば勿論、大激怒するお方が存在するんですが……
真っ先に大激怒したのがウルフさんだったのです!
娘さん2人を差し置いて、義息で部下で弟子なウルフさんが、ブライさんの胸座を掴んでブチ切れちゃったんです!
『ふざけるなよジジイ! リュカさんは国民の事を優先して、政務を行っているんだぞ! 貴族から税金を徴収り、義務教育法を執行したり……城下を整備し、道路や海路を整備したり……人々が住みやすい国造りを行っている、最良なる国王なんだぞ!』
ウルフさんが言うには、国王の職務から解放されたリュカさんは、それまで背負っていた責任からも解放され、他者への迷惑を顧みない自由人へと舞い戻るそうです。
その為、そんなリュカさんしか見た事のない人々は、リュカさんを王に向いてない男と認識するそうです。
だから国王として政務を行っている姿を知らない人に、大声でリュカ
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