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イドメネオ
第一幕その四
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っていた。
「天は何もかも私に対して悪く仕組まれる。イダマンテ様が国も何もかも御自身の意のままにさえたなら私には希望が何もなくなるのでは?私はギリシアの名誉が消える時を見ることになるというの?」
 暗い顔で呟いていた。
「トロイアの女がクレア王の隣に座す。新婚の床に入り私はそれでもあの方を愛することに。偉大なるクレタの王を仰ぎ見るだけ。そしてあのトロイアの女を。それは」
 目に暗い光が宿った。
「それは耐えることができない、私は感じる。心の中に恐ろしい復讐の三柱の女神を、これ程大きな苦しみを味わえば愛も慈悲も同情も心から消えてしまう。私からあの方を奪ったあの女よ、私の心を裏切った人よ、思い知るのだ。私の怒りが招く復讐と残忍を」
 こういい残し彼女も宮殿の後を前にする。人々は海辺に集まっていた。断崖を前にして打ち上げられている船の残骸を見ていた。

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