取りあえず
異世界に来ちゃったよ…
魔法ってどうやって2
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くそ!これじゃ渡れねえ!どうする俺!考えやがれ!せっかく魔法の世界に来たのにいきなり人が食われるとこなんか見たくねえよ!魔法が使えれば…いや違う
「使うんだよくそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
バヂッ!バヂヂヂヂヂヂヂッ!
「なっ!?なんだこれぇ!?」
俺の身体を紫色の雷が包む。身体中から力が漲ってくるようだ。身体からあふれ出す雷は形を留めず不規則に溢れては消滅を繰り返している。
「これをあの魔物にくらわせば…!」
此処から魔物まではかなり距離がある。たぶんこのまま雷を飛ばしてもアイツには届かないだろう。ならば形を変えるまでだ!一撃でアイツを貫ける武器を作るまでだ!
バヂィッ!バヂッ!ヂヂヂヂヂヂヂ!
雷は俺の右手に集まりそれの形を形成する。そう一撃でアイツを貫ける鋭さを持った武器。ランスだ。紫色の雷をその身に纏ったランスはどんなものでも貫いてしまいそうだ。
「貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
外野手顔負けの投球フォームでランスを魔物の頭部目掛けてぶん投げる。茜色の空を切り裂きながらランスは魔物に向かって飛んでいく。ランスが通過した空間には紫色の雷が僅かにバチバチと音を立てて残っている。
グサァッ!バヂヂヂヂヂヂ!
「グギャァァァァァァァァァァァ!」
一瞬の閃光の後、魔物の叫び声が響いた。どうやらランスは無事魔物を捉えたようだ。雷は魔物を焼き尽くしあたりには血なまぐさいにおいが広がっていた。魔物が消滅するのと同時に荒れていた川が嘘だったかのように静まった。俺は慌てて川を渡り女性に駆け寄った。気が付いたら雷は消えていた。
「大丈夫か?」
「はい…。あの、さっきのボルトランスはあなたの魔法ですか?」
女性は上目づかいで俺に尋ねてきた。もうね俺の心がショート寸前だわ。だがしかし神崎流弥17歳ここは紳士に対応しようじゃないか。
「ん?ボルトランス?ああ、あのランスの事か。確かにあれは俺が魔法で作ったものだけど?」
その瞬間女性の目が輝きだした。そしてすぐに俺の肩を掴んでこう言った。
「私に魔法を教えてください!!」
あたり一面が静寂に包まれた。
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