学舎の園
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見た限り完璧に姿は見えなくなっていた。書庫の情報が間違っているとは考えづらい。短期間にレベルが上がった?どうやって?)
書庫の情報と現実の能力の矛盾。システムスキャンが最近あったことを考えるとレベルがいきなり上がったとも思えない。というよりあってたまるかというのが蓮の心境だ。そこで蓮は気づく。
(……松野も同じような状況にいるな。短期間にこんなにも能力を向上させる方法か……)
レベル2という結果だったシステムスキャンの次の日にレベル4並の能力を使った『水流操作』の松野。レベル2の『視覚阻害』とされているにも関わらず完全に姿を消して見せた重福。どちらも短期間のうちに能力が向上し、書庫の情報と矛盾が起きている。しかしそれ以外の共通点は蓮には見つけられない。
(なにかありそうな気もするが気のせいなのか……?確かに能力のことを聞いたときの松野の様子はおかしかったが……)
『……さん……さんってば……神谷さん!!!』
「っと初春?どうしたの?」
ふいに耳元に響いた初春の大声に我に返る蓮。考え事に没頭しすぎてしばらく適当にスケボーで走り回ってしまっていた。
『どうしたのって……。なんども呼んだんですから返事してくださいよ。』
「ごめんごめん。考え事してた。」
『はぁ……。まぁいいです。神谷さんがふらふらしている間に例の公園への誘導にほかの3人が成功しました。向かってください。』
「了解。」
ため息をついて少し皮肉の込められた初春の言葉に蓮は黙って従う。文句を言われても仕方のない行動だったので何もいえないのだ。公園に向かう蓮は心の中で決める。松野に能力について聞いてみようと。
(なんで……!!!)
常盤台狩りこと重福は焦っていた。これまでの襲撃は完璧だった。一切その姿を晒さず、気に食わない常盤台のお嬢様に屈辱を味あわせてきた。だが、今日襲った黒髪ロングの少女。彼女になぜか正体がばれ、見つかった後から逃げる先々にその少女、またはツインテールの少女と短髪の少年と黒髪の炎を使う少年のうちだれかが待ち伏せていた。
(このままじゃ……でもなんで、どうすれば……)
しばらく姿を消したまま逃げることに専念していたがついに限界。とある人通りの少ない公園で能力が切れてしまう。そこで重福は目にする。ブランコに乗った常盤台の生徒を。茶髪の彼女はこちらを見てこう言った。
「鬼ごっこは……終わりよ。」
「鬼ごっこって御坂さんなんもしてないじゃないですかー」
「神谷だって途中からスケボーでテキトーに走り回ってただけじゃん」
「俺たちがその分頑張ったんだからね?」
「それはごめんって。考え事してたらつい夢中にね。つか松野も原因だからな!?」
「え?なんで俺逆ギレされてんの?」
「これからいいところ
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