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とある六位の火竜<サラマンダー>
学舎の園
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らえない!!」
「そんなことより佐天さん。約束のケーキ忘れないでくださいね?」
「3個でも4個でも食べてよし!」
「わーい!!」
「……多いわね」

いまだに発作がぶり返す松野と蓮が笑いをこらえる姿を涙目でにらみながら佐天は初春にいう。そこで歓声を上げる初春に反応するかのように御坂が呟いた。

「えーそうですか?」
「大丈夫ですよー」
「むしろ少ないな。10個はいける」
「神谷、それ本気か……?」
「ケーキじゃなくて監視カメラですの。」

御坂の発言をケーキのことだと思った4人が反論し、蓮の発言に戦慄していると白井が間違いを訂正し初春に監視カメラの台数を絞るように指示を出す。

「この辺りは常盤台からもっとも遠いエリアですの。常盤台の生徒はまず行きませんわ。」
「じゃあ人通りの多いところも後回しね。」
「え?何でですか?」
「犯人のかっこうはここじゃ目立つからな。そんなところじゃ能力を常に使うしかないけど能力は永遠には使えない。なら、人通りの少ないところで身をひそめるはずだろ?」

御坂の推測を蓮が補足するとわかっていなかった初春と佐天も納得したようにうなづいた。そのようにカメラの台数を絞っていき、犯人を捜していく。





「さてっとそろそろかな?初春ー?」
『はいはい〜。神谷さん、ななめ右50メートル先から来ます。』
「りょーかい」

スケボーを抱えて路地の壁に寄りかかり、耳にかけている無線から初春の指示を聞く蓮。相手は見えない以上視覚に頼っても無駄。目をつむって音と気配に全神経を傾ける。

「んーだいたいわかるかもだけどミスって逃がすのもあれだし……。これでいいか。ほいっと。」
「!きゃあ!!」

炎の壁で自らの左右の通路の通行を塞ぐ。すると炎に驚いたのか、しりもちをついた重福が姿を現した。

「なんでここにいるって……」
「なんでわかったんだろーね?とりあえず捕まえてから教えてあげるよ。」
「くっ……!!」

蓮が捕まえる前に姿を消して逃げ出す重福。蓮は一瞬あっけにとられてから感心したように呟く。

「おーほんとに全く見えなくなった……」
『いいから追ってください!佐天さんと同じ反応してますよ、まったく……』
「おっと、佐天レベルか。追いかけなくちゃな。初春ナビよろしく。」
『次の角右に行ってまっすぐです。』

初春に指示されながらスケボーに乗って路地を走っていく。といってもおいかっけこにしては相手が見えない分面白味がない。ただ走っているだけでは飽きがくる。蓮はそんな中これまで感じていた違和感について考え始める。

(重福省帆。『視覚阻害』レベル2。書庫の情報はこうなっていた。書庫の情報を信じるなら彼女は完全には自分の姿をけせないはず。だけどさっき
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